2013/06/01-

時間の無駄だから読まないほうがいいよ。

三次訪問

ついにやってきました。朝霧の巫女と稲生物怪録を追いはじめて十数年、完結してから十年をえての訪問です。 まずはJR三次駅から。作品の順序から言えば太歳神社に行くべきなのだろうけれど、自分にとってこの作品は世界の境界を巡る物語。 現世と幽世を隔て…

三月のまとめ

ツイログが使い物にならなくなったので、改めてこちらにも記録を残していくことにした。ただでさえ世界も日本も荒れているのにネットに振り回されるとかどうかしている。 そういえば身体の方もめちゃくちゃだった。消化器系が独立を宣言してあちこちを溶かし…

はちがつのまとめ

安部公房を読み直したり中村元を読み直したりいろいろ。大学を卒業してから手にとっていなかったせいか忘れていた事がいろいろあった。中論は面白いとか。 それと前者の著作から離れていった理由も思い出した。持って回った言い方をしておいて結局は無意識な…

しちがつのまとめ

念願の雑兵たちの戦場や刀狩を読んだ。サムライ映画には武士道武士道忠義忠義が当然のように出てくるけれど、太平洋戦争を見ればわかるように実際の戦争にはそんな余裕はない。兵も農もお腹をすかせて餓死寸前で軍隊の維持さえままらない。そんな状況で一対…

みるの感想文

物語で人を善い方向に導く、という考え方は理屈が通っているようで矛盾がある。なぜなら、そういった価値観はそれを発言した主体の好悪と結びつくからだ。 なるほど共同体への忠誠は善、反社会的行為は悪かもしれない。人が共同体と社会契約に縛られている以…

ろくがつのまとめ

週一で通っている本屋の目の前で殺人事件がおこった。現場は西大寺駅と奈良ファミリーの間。あの歩道を渡りきれば近鉄百貨店だ、と想像できるくらいに通いなれた場所。高校生の頃はあの辺でビラ配りをしたこともあった。事件の前日には史料の買出しのために…

ごがつのまとめ

サイバーパンクというゲームで遊んだのでサイバーでパンクな本ばかりを読んだ。 学生時代から苦手な分野だったけど、相変わらず難しい。それもサイバーではなく「パンク」が。元もと既存の物語形式や作家の勢力争いからの離脱を目的に醸成されたジャンルだか…

平家2

また今度 祗王とびわの「握手」と「また今度」。ショットと台詞は互いに強化し合い、二人の関係性を強化する。赤の他人から友達へと距離は縮まり再開の予感は高まる。 しかし、ショットは物語の進行に伴い逆走する。祗王は出家し徳子はそれを言葉で伝えるが…

平家12

視て、語る。 後白河法皇や清盛をはじめ、目については執拗なほど表現の多いアニメだけど、マッチカットははじめてだと思う。(10話で維盛が涙から血にイメージを流してはいる) 空間的共時性、イメージの蓄積、転化、まぁこの使い所の多いレトリックだが、…

平家11

壇ノ浦直前のやつを見直していたらちょっと映画らしい表現があったのでメモ。 徳子が後白河法皇への書状を拒否→安徳天皇を守ると語る場面。座りなおしを使った典型的な高低差(上下関係)の表現だけど感情の矛先は切り返しの相手ではなく徳子自身なのがポイ…

しがつのまとめ

ころなだったのでそこそこの冊数をこなすことができた。いや、冗談ではなくほんとうに。四月の半ば頃に妹が発症、翌日に弟にも症状が出た。保健所からの指示で買い物は三日に一度に限り、外出も自粛。発症から十日、症状が治まってからも最低三日は外出する…

さんがつのまとめ

えろげーばかり読んでいたので冊数はこなせなかった。ただ、ロ云々のことがあったのでセカンドハイドだけは読んだ。視点、価値観の複数性、均衡と構造、どれも一級で脳が洗われるような感覚に陥る。アレクシェーヴィチすごい。あとオーウェル。彼のことは何…

おーうぇるよんだ

とりあえずカタロニア賛歌とあなたと原爆まで読んだ。新庄訳の一九八四も読み直すつもりではあるけれど、その前にあなたとーまで読んだ段階で思うところがあったので書いておく。 一九八四に長年親しんでいるディストピアファン(?)は知っているように、旧…

にがつのまとめ

引越しでバタバタしていたこともあってあまり冊数は読んでいない。 読む本読む本あまりピンとこなかったから頭にも残ってない。特に期待していたNSAがよくなかった。ディストピアものとして読んだのが悪かったようだけれど、NSAとナチの組み合わせで売り出す…

2008

東欧がキナ臭い。戦争から七十年も経てば戦争体験者も数を減らし、生の体験は失われる。そろそろ世界大戦か、という根拠のない予感がここ五年ほどあったが、それが現実になった。 というのは正に根拠のない妄想で世界はそんな杓子ではかったようには出来てい…

誕生日だったので

ザッハーのトルテを食べた。といっても輸入するのも困難な時勢なのでデメルで手に入れたのだけれど。 ホテルザッハーと同じ桐箱入り。(デザインは異なる) そして公式どおりにホイップクリームを添える。飾りの意味合いもあるのだろうけれど、そもそものザ…

四条で飲んで遊んで

引越しの準備もあらかた終わったので「最期だから写真でも撮りに出るか!」と勇み足で四条まで下りたのだけれど、けっきょくビアホールで飲んで酔って、きがついたらアパートで突っ伏していた。(この文章も二日酔いの頭を抱えながら書いている) まぁいいか…

平家3

アマゾンプライムに来ていたので兄弟と一緒に鑑賞。大事な鹿ヶ谷の陰謀なのにクローズアップとカットバックが多い。あまり好みの画ではなかったからさらっと流していたのだけれど、見直したら実相寺風のカットが要所要所で挿入されていて面白かった。 PVでも…

丸善で早矢仕を食べたり平家を見たり

来月には京都のアパートを引き払って奈良に戻る、ということで行ってきた。 酸味の多い、トマトベースの味付けだった。カレーやデミグラスソースはまず野菜と肉で出汁をとるものだけれど、このハヤシライスにはない。特に肉の味は皆無といってもいいほどで、…

2021の10

・スワンソング・罪と罰・異邦人・自由論・市民政府二論・キュア・カリスマ・二度死ぬ・荒野の決闘・決闘裁判 そんな感じ 良いお年を

11月に読んだ本

先月より千頁ほど減った3816を読んだらしい。いや、優劣傾向いろいろあるから頁なんて数えても何も得られないのだけれど。ただ、今月に限っては本どころではなかった。スワンソングで頭が埋まっていた。 ホッブズ、ドストエフスキー、カミュ、彼らのエッセン…

近況

10月に読んだ本

007を観にいったついでにアシェンデンを読んだり、その舞台になったイギリスに関係してホームズとかディケンズに触れたり、まぁ思いつくままに読んだ。 モームとコナンは娯楽なのであまり考えることもないのだけれど、ディケンズはちょっと辛かった。見放さ…

9月に読んだ本

8月も終わりか、と感慨にふけっている間にもう10月。単に記憶力が減退して体感している時間経過が増しているだけなのだろうけど、それにしても速すぎる。純粋経験とは何か考えてしまうな。あと前月よりも読書量が900頁ほど増えたからちょっと嬉しい。 前月の…

マーラー聞いてきた

このご時勢に県境を越えて音楽を聴きに行くとは何事か、と怒る人もいるかもしれないが、会場は田舎だし歓声どころかブラボーも禁止ということで許してもらいたい。会場内は演奏前後の拍手を除いて殆ど無音だったので、デパートやスーパーに行くよりは安全だ…

8月に読んだ本

なんとか図書館で借りた分だけは読みきった。アレクシエービッチのセカンドハンドの時代が500頁を越える大作で、これだけで今月は終りそう……と思っていたが何とか消化。 この人の本は内容が際どいのに加えて一国のイデオロギー的な多様性、個人の事情といっ…

7月の読書

先月は体調どん底、精神ボロボロ、だったのだけれどけっこう読んだ。臥せっているしかできないと本を読むくらいしかできないので自然と冊数は増える。ただ、戦争や殺人といった内容が重いものは身体に影響を与えることもあって手にとっていない。何でだろう…

七月二週目、てーたいむとか

友達からもらったマーマレードジャムをクラッカーに載せて、白山陶器のデミタスカップと共に。砂糖が少ないせいか酸味がきつめのジャムだった。クラッカーの塩味と合わせるとうまい。 カップは白山陶器のデミタス。身体が小さいせいか少量の茶葉と小さめのカ…

Kホール行ってお茶して帰った。

今日は夜公演。演目はエグモント、ショパンの協奏曲とドヴォルザークの交響曲第九番。協奏曲を聞くのはたぶん二年越しのことで、ほんとうに久々。協奏曲は自分から聴こうと思わないからなのだけれど、遠ざけていたからなのか余計に染み入るものがあったのだ…

最果て日記2-?-1

懺悔も兼ねて記録に残しておく。最果てのイマの「イマ」について。ずっと勘違いしていたのだけれど、これは記憶を回想している現在のこと、あるいは回想している主体イマという少女のことを指している。決して過去と対応する現在を指しているわけではない。…