2013/06/01-

時間の無駄だから読まないほうがいいよ。

2016-01-01から1年間の記事一覧

ESCAPE FROM NEW YORKとか

ESCAPE FROM NEW YORK 出版社/メーカー: Shout! Factory 発売日: 2015 メディア: Blu-ray この商品を含むブログを見る 壁で囲まれ監獄島と化したニューヨークへ大統領救出に向かうスネーク・プリスキンの物語。世界的な大都市を廃墟、それも堕落を極めた刑務…

シェロー演出「リング」への招待

バイロイト音楽祭創設百年記念上演のドキュメント。番組はバイロイトの大まかな歴史とその中でブーレーズ指揮、シェロー演出が何を意味しているかを解説している。 一時は殴り合いの事態にまで発展したという一九七六年の上演から六年も経過しているせいか、…

戦略大作戦と荒鷲の要塞の日常風景とか

ドイツ占領下のフランスから金塊を奪取する男たちの物語。我欲を隠すことなく軍規そっちのけで金塊を目指す男たちの性格描写(愚連隊西へと思い出させる)、独軍との和解(金塊のアリかを聞いて目の色をかえたり、ケリーの硬い表情をみてゆっくりとローマ式…

ニーベルングの指環 その演出と解釈

1976年のバイロイト百周年を記念して「<指環>はいま」と題して開催されたシンポジウムの記録。参加者は指揮者から歴史家まで様々だが、本書は特に演出家に重点を置いて書かれている。 メトロポリタンで指環を演出したシェンクのように北欧神話の延長で物語を…

完全なるワーグナー主義者

バーナード・ショーによる指環解説本。20世紀前半の教条的なリベラリストらしい社会主義リアリズム風な解読が特徴。北欧神話を素材につくられ、1945年のベルリン陥落を髣髴とさせる結末故にナチズムを用意したとまでいわれる作品を彼が解説しているのもなん…

指輪物語とか

冥王サウロンの野望を打ち砕くために指環を滅びの山へと運ぶ旅の仲間の物語。 ヴァイキング風の絵面で故郷奪還と王への忠誠を描いたのがホビット 思いがけない冒険なら、この三部作は中世騎士物語の幻想文学を利用した読替えだといえるだろう。富の象徴でも…

沖縄決戦とか日本のいちばん長い日とか

シンゴジの影響で岡本喜八が話題にあがることが多くなったので、土日をつかって「沖縄決戦」と「日本のいちばん長い日」を観た。 どちらも会議映画であり、(史実はどうあれ)現場の足を引っ張るのが陸軍上層部だという点では一致している。沖縄決戦では大本…

ホビット 思いがけない冒険

ドワーフとホビットらによる故郷奪還の旅、あるいは神々の黄昏から生き残ったものたちとライン川から蘇った指環の物語。(直接的なつながりはないが、一九世紀から二十世紀前半に書かれた”欲望を支配する指環”の物語とあれを結びつけるなという方が無理だ) …

ワーグナー:楽劇《神々の黄昏》 [メト1990年版]

ハーゲンの謀略によって記憶を失ったジークフリートと呆けた彼によってグンターに差し出された妻ブリュンヒルデの悲劇。 四夜のうち最も悲劇的、運命論的な作品だ。世界を知るために妻ブリュンヒルデのもとを発ったジークフリートはギービヒ家の悪漢ハーゲン…

ダンジョン飯 3巻

魔物を煮たり焼いたり食べたりするRPGグルメマンガの三冊目。相変わらず、剣と魔法の世界を料理(という科学)をもって引っ掻き回すのが良い。 苦労して倒した巨大イカを尻目に体内を這いずりまわっていた寄生虫を蒲焼きにして食べたり、食草の皮を向いて食…

ダンジョン飯 2巻

剣と魔法の世界の料理本かと思いきや、今回も鼻行類に似た魔界生態研究報告だった。ゴーレム畑(自律警備システムを搭載)とかもう青背の発想。 ダンジョン飯 2巻<ダンジョン飯> (ビームコミックス(ハルタ)) 作者: 九井諒子 出版社/メーカー: KADOKAWA / …

ダンジョン飯 1巻<ダンジョン飯> (ビームコミックス(ハルタ))

魔物を煮たり焼いたり食べたりするRPG料理本。宿や屋台を食べ歩くような所謂グルメ本というより魔物をつかった思考実験、作風は鼻行類に近い。魔物の筋の入り方を分析して倒し方、捌き方を研究したり解剖図で部位を示して適した調理法を模索したりとひとつひ…

「イギリス社会」入門―日本人に伝えたい本当の英国 (NHK出版新書 354)

中流生まれのオックスフォード卒、日米で特派員として活躍した経歴を持つイギリス人による英国文化レポート。ユニオンジャックに封じられたアイルランドのセント・パトリック・クロス、労働者の味方を演じるために名門校の服装を隠そうとする政治家、母語で…

ワーグナー:楽劇《ジークフリート》 [メト1990年版]

第一夜で神々に追い詰められたジークムント、ジークリンデの残した子ジークフリートの英雄譚、彼と神々を裏切ったブリュンヒルデが交わる物語。権力から解き放たれたふたつの血が交わり、いよいよ北欧神話と伝説が交錯する。 この第二夜にはクロスオーバー作…

ジークフリート伝説 ワーグナー『指環』の源流 (講談社学術文庫)

古代ライン川のほとりに生まれたシグルドが、近世のニーベルングの指環のジークフリートとして活躍するまでを時代毎のあらすじ、造形を比較しながら追跡している本。鍛冶屋の息子として育ち、竜を殺して英雄となったフランクリン時代(記録は諸事情で散逸)…

ニーベルンゲンの歌〈後編〉 (岩波文庫)

血の復讐編。前編の見せかけの和解がじわじわと事態を悪化させていく。クリムヒルトは改心に見せかけてエッツェルと結婚し新たに従えた部下で復讐を企て、グンテルは和解したのだからと呑気に国へとはいる。(デンマークやブリュンヒルトの問題解決策をすべ…

ニーベルンゲンの歌〈前編〉 (岩波文庫)

前編の魅力はなんといっても武人の迫力、忠誠心の力強さにあるだろう。国のすべてを奪い取るととんでもない宣言をしながら現れるジークフリトとその迫力に魅了されるグンテル王、そこで結ばれた男同士の絆によって成されるデンマルク征服、競技会の敗者の首…

ワーグナー:楽劇《ワルキューレ》バイロイト音楽祭2010 [Blu-ray]

読替えという意味ではシェローやクプファーの域を出ていない。メト版ほどではないにしろ、ほどよくわかりやすい舞台なのは、バイロイトお気に入りのティーレマンの指揮を邪魔しないように配慮してのことだろう。 読替えではないが、フリッカとの論争中にもう…

ワーグナー:楽劇《ヴァルキューレ》(メト1990年版)

ラインの黄金に引き続いてワルキューレを観てみた。ヴォータンの息子ジークムントと娘ジークリンデの駆落と惨殺の悲劇が描かれており、ウォルスング家の物語が元となっている。原作は二人の悲哀が基軸だが、本作では彼らの父であり剣ノートゥングを与え支援…

ワーグナー:楽劇《ラインの黄金》(メト版)

北欧神話のヴォータンと巨人の間に起こった神々の住処の賃金未払い騒動を種にした楽劇。原作ではトールによって巨人が打倒され物語は終わるが、本作ではギリシャ悲劇を思わせる災禍の連鎖となっているのが面白い。借金前借りで自分の城を建てるヴォータン、…

未来の芸術 バイロイト祝祭劇100年

1976年までのバイロイトの歴史をワーグナーの生涯、参加した指揮者や演出家を追いながら紹介しているドキュメンタリー。パリオペラ座のブルジョア趣味に対抗してバイロイトの地が選ばれた話にはじまり、全木製の劇場構造、地下に設置されたことで独特な音場…

シンゴジラ

16年現在の災害対策映画。東日本大震災の報道映像を引用した破壊描写、が印象的だ。崩落する海底トンネル、レジャーボートを市街に吐き出しながら逆流する川、区画毎に停電する町々、闇夜の渋滞に取り残された市民たち、火災旋風に巻き上げられる車列。東日…

北欧神話と伝説 (講談社学術文庫)

エッダとその周辺の伝説を集めたゲルマンアンソロ。神々の住処の建築費の支払いを迫る巨人と彼らから何とか逃げようとする神ヴォータン、その巨人を槌(と鉄手袋)で殴り追い落とす息子のトール、彼の力に幻覚によって勝利するロキ、彼らの世界を支えるユグ…

図解 北欧神話 (F-Files No.010)

物語によってキャラがぶれる北欧神話の登場人物を要領よくひとつにまとめている。キャラクター図鑑感覚で読めるので、マイティ・ソー等々の元ネタを探すにはもってこいの本。巻末にしっかりとした参考文献一覧(ただし邦訳)も掲載されており、読書案内とし…

火星の笛吹き (徳間文庫)

40年代に向こうのSF雑誌で発表されたブラッドベリの初期作品を集めた短編集。まだ雑誌への売込み段階だったこともあってか、一発ネタ仕掛けの作品が多い。 内容は宇宙船の外装に張り付いて地球を目指すおっさん、船内でとつぜん襲ってきたホームシックを船内…

火星年代記 (ハヤカワ文庫 NV 114)

五感では捉えがたい火星人との触れ合い、彼らの住む迷路のような都市が幻想的で美しい作品。地球人による旧都市の発見と破壊を防ごうと宇宙飛行士の身体を乗っ取り自滅させようとする先住火星人、次元差によって透過して見える身体の向こうに星空を発見する…

少女終末旅行 2 (BUNCH COMICS)

少女終末旅行 2 (BUNCH COMICS) 作者: つくみず 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2015/07/09 メディア: コミック この商品を含むブログ (5件) を見る 漫画にしては珍しくアクション一切のアクションの存在しない心地よい破滅もの。空き缶に水を貯める時のぽ…

インデペンデンス・デイ リサージェンス

宇宙からの独立を宣言した米軍に復讐を誓ったエイリアンと近未来化した米軍の戦い。 エメリッヒらしいスケール感に溢れた作品だ。前作、円盤の影に覆い隠された月は月面をごっそりと円盤の胴体によって削られ、地球は大陸ごとごっそり包まれる。ワシントンや…

インデペンデンス・デイ [Blu-ray]

インデペンデンス・デイ [Blu-ray] 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 発売日: 2016/06/03 メディア: Blu-ray この商品を含むブログ (4件) を見る ニューヨーク、ロサンゼルス、そしてワシントンに出現した巨大円盤…

六月の本とか映画とかの感想文

スターシップ・トゥルーパーズ3 [Blu-ray] 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 発売日: 2012/11/21 メディア: Blu-ray この商品を含むブログを見る 宗教国家化する連邦と、その信念に基づき血みどろになりながら昆虫型宇宙生物と戦う…