バイロイト音楽祭創設百年記念上演のドキュメント。番組はバイロイトの大まかな歴史とその中でブーレーズ指揮、シェロー演出が何を意味しているかを解説している。 一時は殴り合いの事態にまで発展したという一九七六年の上演から六年も経過しているせいか、…

ドイツ占領下のフランスから金塊を奪取する男たちの物語。我欲を隠すことなく軍規そっちのけで金塊を目指す男たちの性格描写（愚連隊西へと思い出させる）、独軍との和解（金塊のアリかを聞いて目の色をかえたり、ケリーの硬い表情をみてゆっくりとローマ式…

1976年のバイロイト百周年を記念して「<指環>はいま」と題して開催されたシンポジウムの記録。参加者は指揮者から歴史家まで様々だが、本書は特に演出家に重点を置いて書かれている。 メトロポリタンで指環を演出したシェンクのように北欧神話の延長で物語を…

バーナード・ショーによる指環解説本。20世紀前半の教条的なリベラリストらしい社会主義リアリズム風な解読が特徴。北欧神話を素材につくられ、1945年のベルリン陥落を髣髴とさせる結末故にナチズムを用意したとまでいわれる作品を彼が解説しているのもなん…

冥王サウロンの野望を打ち砕くために指環を滅びの山へと運ぶ旅の仲間の物語。 ヴァイキング風の絵面で故郷奪還と王への忠誠を描いたのがホビット 思いがけない冒険なら、この三部作は中世騎士物語の幻想文学を利用した読替えだといえるだろう。富の象徴でも…

シンゴジの影響で岡本喜八が話題にあがることが多くなったので、土日をつかって「沖縄決戦」と「日本のいちばん長い日」を観た。 どちらも会議映画であり、（史実はどうあれ）現場の足を引っ張るのが陸軍上層部だという点では一致している。沖縄決戦では大本…