2013/06/01-

時間の無駄だから読まないほうがいいよ。

指環とか

シェロー演出「リング」への招待

バイロイト音楽祭創設百年記念上演のドキュメント。番組はバイロイトの大まかな歴史とその中でブーレーズ指揮、シェロー演出が何を意味しているかを解説している。 一時は殴り合いの事態にまで発展したという一九七六年の上演から六年も経過しているせいか、…

ニーベルングの指環 その演出と解釈

1976年のバイロイト百周年を記念して「<指環>はいま」と題して開催されたシンポジウムの記録。参加者は指揮者から歴史家まで様々だが、本書は特に演出家に重点を置いて書かれている。 メトロポリタンで指環を演出したシェンクのように北欧神話の延長で物語を…

完全なるワーグナー主義者

バーナード・ショーによる指環解説本。20世紀前半の教条的なリベラリストらしい社会主義リアリズム風な解読が特徴。北欧神話を素材につくられ、1945年のベルリン陥落を髣髴とさせる結末故にナチズムを用意したとまでいわれる作品を彼が解説しているのもなん…

指輪物語とか

冥王サウロンの野望を打ち砕くために指環を滅びの山へと運ぶ旅の仲間の物語。 ヴァイキング風の絵面で故郷奪還と王への忠誠を描いたのがホビット 思いがけない冒険なら、この三部作は中世騎士物語の幻想文学を利用した読替えだといえるだろう。富の象徴でも…

ホビット 思いがけない冒険

ドワーフとホビットらによる故郷奪還の旅、あるいは神々の黄昏から生き残ったものたちとライン川から蘇った指環の物語。(直接的なつながりはないが、一九世紀から二十世紀前半に書かれた”欲望を支配する指環”の物語とあれを結びつけるなという方が無理だ) …

ワーグナー:楽劇《神々の黄昏》 [メト1990年版]

ハーゲンの謀略によって記憶を失ったジークフリートと呆けた彼によってグンターに差し出された妻ブリュンヒルデの悲劇。 四夜のうち最も悲劇的、運命論的な作品だ。世界を知るために妻ブリュンヒルデのもとを発ったジークフリートはギービヒ家の悪漢ハーゲン…

ワーグナー:楽劇《ジークフリート》 [メト1990年版]

第一夜で神々に追い詰められたジークムント、ジークリンデの残した子ジークフリートの英雄譚、彼と神々を裏切ったブリュンヒルデが交わる物語。権力から解き放たれたふたつの血が交わり、いよいよ北欧神話と伝説が交錯する。 この第二夜にはクロスオーバー作…

ジークフリート伝説 ワーグナー『指環』の源流 (講談社学術文庫)

古代ライン川のほとりに生まれたシグルドが、近世のニーベルングの指環のジークフリートとして活躍するまでを時代毎のあらすじ、造形を比較しながら追跡している本。鍛冶屋の息子として育ち、竜を殺して英雄となったフランクリン時代(記録は諸事情で散逸)…

ニーベルンゲンの歌〈後編〉 (岩波文庫)

血の復讐編。前編の見せかけの和解がじわじわと事態を悪化させていく。クリムヒルトは改心に見せかけてエッツェルと結婚し新たに従えた部下で復讐を企て、グンテルは和解したのだからと呑気に国へとはいる。(デンマークやブリュンヒルトの問題解決策をすべ…

ニーベルンゲンの歌〈前編〉 (岩波文庫)

前編の魅力はなんといっても武人の迫力、忠誠心の力強さにあるだろう。国のすべてを奪い取るととんでもない宣言をしながら現れるジークフリトとその迫力に魅了されるグンテル王、そこで結ばれた男同士の絆によって成されるデンマルク征服、競技会の敗者の首…

ワーグナー:楽劇《ワルキューレ》バイロイト音楽祭2010 [Blu-ray]

読替えという意味ではシェローやクプファーの域を出ていない。メト版ほどではないにしろ、ほどよくわかりやすい舞台なのは、バイロイトお気に入りのティーレマンの指揮を邪魔しないように配慮してのことだろう。 読替えではないが、フリッカとの論争中にもう…

ワーグナー:楽劇《ヴァルキューレ》(メト1990年版)

ラインの黄金に引き続いてワルキューレを観てみた。ヴォータンの息子ジークムントと娘ジークリンデの駆落と惨殺の悲劇が描かれており、ウォルスング家の物語が元となっている。原作は二人の悲哀が基軸だが、本作では彼らの父であり剣ノートゥングを与え支援…

ワーグナー:楽劇《ラインの黄金》(メト版)

北欧神話のヴォータンと巨人の間に起こった神々の住処の賃金未払い騒動を種にした楽劇。原作ではトールによって巨人が打倒され物語は終わるが、本作ではギリシャ悲劇を思わせる災禍の連鎖となっているのが面白い。借金前借りで自分の城を建てるヴォータン、…

未来の芸術 バイロイト祝祭劇100年

1976年までのバイロイトの歴史をワーグナーの生涯、参加した指揮者や演出家を追いながら紹介しているドキュメンタリー。パリオペラ座のブルジョア趣味に対抗してバイロイトの地が選ばれた話にはじまり、全木製の劇場構造、地下に設置されたことで独特な音場…

北欧神話と伝説 (講談社学術文庫)

エッダとその周辺の伝説を集めたゲルマンアンソロ。神々の住処の建築費の支払いを迫る巨人と彼らから何とか逃げようとする神ヴォータン、その巨人を槌(と鉄手袋)で殴り追い落とす息子のトール、彼の力に幻覚によって勝利するロキ、彼らの世界を支えるユグ…

図解 北欧神話 (F-Files No.010)

物語によってキャラがぶれる北欧神話の登場人物を要領よくひとつにまとめている。キャラクター図鑑感覚で読めるので、マイティ・ソー等々の元ネタを探すにはもってこいの本。巻末にしっかりとした参考文献一覧(ただし邦訳)も掲載されており、読書案内とし…