2013/06/01-

時間の無駄だから読まないほうがいいよ。

最果て日記2-?

耳が痛い。 田中ロミオという人はどこまでも客観的で、裏切りや行き違いといった個々人に由来する出来事を書かない。生まれ持った素質、親が構築した生育環境、そういった個々人のどうしようもないところからアプローチをはじめて人を解体していく。ガジェッ…

新めにゅー

昨日の今日で節操のないことだと思うが、ボルシチをつくってみた。消費期限が迫ったビーツが保存庫に残っていた、というのもあるのだけれど。 何も足さない状態のビーツは直喩的な意味で畑の肉、漬け汁は血液なんですよね……。 それに牛肉、玉ねぎ、あとトマ…

ひさびさのKホール、ひさびさのコンサート

一年、いや二年か。久方ぶりにKホール(このご時勢なのであえて検索避け)で音楽を聴いた。演目は前半がブラームスの大学祝典序曲と交響曲第三番、後半はサン=サーンスの交響曲第三番「オルガン」。 マーラーもブルックナーも望めず、飽きるほど聞いたベート…

里帰り

仕事の関係で奈良の実家に帰ってきた。といっても特別な出来事でもないので実感もない。よって寺とか神社とか、あと鹿の写真とかは撮っていない。 史跡の近くに住んでいるのに、それを特別だと思ったことがない。小学校は春日大社の近くで中学校は三笠山にあ…

最果て日記2

昨日の続き。自分の中でローカルルール、私的領域の規定を極限まで広げたらどうなるか、いやそうすることができたなら、の話。 「一人だけが存在するということは、自我と世界が同じサイズになるということだと思う」の言葉が重い。最果ての場合、折衷案とし…

シチュー

つくった 男の料理とは簡単端的、頭をつかわなくても体力を消耗せずとも作ってしまえるところがいい。特にホワイトシチューなんて面倒ならフライパンで具を炒めて大鍋でそれを煮るだけ。こだわりたければホワイトソースから作るなりして特定のポイントだけを…

最果て

最果てのイマを起動した。はじめて読んだのが大学一年生の頃だったから十年振りのことになる。懐かしい、あまりにも。 これも終ノ空と同じく僕が哲学を学ぶきっかけになったゲームだ。当時の解釈は間違っていて、もう思い出すのも嫌なのだけれど。ただ、どん…

めしめし

平熱まであと一歩、というところまで来たので軽くご飯をつくった。 オレガノとバジルのミネストローネと近所のパン屋さんのカンパーニュ。フライパンを振るとちょっと元気が出た。ただ横になっているよりはぜんぜん良い。

また寝てた、あと本を読んだ。

体調が元に戻ってもなぜか体温が下がらないのでまーた病院へ。感染症その他の炎症の疑いがあるということで血液検査その他を受けるも数値は正常。むしろ内臓周りの機能は好調で褒められる始末。 これでは熱中症くらいしか病因は考えられない、ということで日…

今日もお休み

体力は戻ったけど出張につき今日もお休み。 電車に揺られながらマーラーの九番をひたすら聴いている。彼岸を想像させる音はただひたすら美しい。歌詞を通した意味付、価値、そういった他者を通した曇りは一切ない。浄化というのはこういうことか www.youtube…

画集が届いた。

このゲームの舞台は奈良の南部に位置する御杖村。しかもヤマノカミなるものが登場する。大和三山の近くでしかも山岳信仰とくれば、資料集には柳田国男とか民俗学周辺についての記述を期待するしかない。していた、のだけれど、その辺はノータッチだった。い…

めしめし

身体的にも精神的にもあれな状況が続いたからこればっかり食べてる。お湯を沸かして味つけて、具を入れるだけ。灰汁とりがめんどうなので肉は冷凍のミートボール。ぜんぶ作り置き。保存食と文明の利器万歳。あとごま油を加えるとうまい。 park.ajinomoto.co.…

寝てた

先週から一週間ほど寝込んでいたのだけれど、ちょっとした発見があった。エロゲが、エロゲができない。病気に体力を奪われると虚構に接することが辛くなる。いまある身体としての私と虚構が分離して、向こう側の世界が現実から剥離した遊びごとに見えてしま…

あのゲームの90年代回顧

終ノ空リメイクにも90年代回顧とその脱却の1シーンみたいなものあったのでメモがてら記事にしておく。最近だとエヴァが同じようなことをやっていたのだけど、あの時代を過去として認識しようとする運動があるのだろうか。あるいは捨て去るためにあえて定義し…

ジサツの~の雑感

死に向って雪崩れ込んでいく感じはいいのだけれど、いまいちインパクトにかける。得たいが知れないから怖いとか、一枚皮を剥いでみれば合理的だったとか、ホラーやミステリー的な快楽がない。いや、そんな理屈っぽく考えるのではなく虚無の裏側にはりついた…

「さよならを教えて」の雑感

ADVについてはブクログに移行していたのだけれど、あまりにも使い難いので帰ってきた。読み終えた本を積読から読了に変更するためだけの妙な手順、すぐには反映されないタイムライン……そもそも積読以前の段階の「未分類」とは何。手にとっていないとか、所有…

加奈 ~いもうと~の雑感

思うところがあって読み直した。 wikipediaには泣きゲーに分類されているし、(kanonの数週間前に発売された作品ではあるが)そういう作風の作品が流行った時代のものなのでテーマ自体は珍しいものではない。が、作品の密度はただものではない。 少女の死を…

2017年のまとめ

とりあえず、去年に読んだり見たりして印象に残った作品を列挙。 完全なるワーグナー主義者 作者: ジョージ・バーナードショー,George Bernard Shaw,高橋宣也 出版社/メーカー: 新書館 発売日: 2003/11/01 メディア: 単行本 クリック: 6回 この商品を含むブ…

再生リストのはなし 二

普段から聴いている音楽についてまとめたついでに今季の再生リストを記録しておく。季節ごとにリストを変えているという話は前回書いたが、整理しきれないのでその下位のカテゴリーに喜怒哀楽という分類を設けて、一人の作曲者に一枚を振り分けている。とい…

再生リストのはなしとか

最近、Twitterで好きな曲5曲紹介して5人指名して繋ぐというツイートがまわってきて、普段から自分は何を聴いていたのか、自覚したのでここにメモしておこうと思う。 バトンに書いた通り、再生回数は 1.キルミーのベイベー!/やすなとソーニャ2.ハッピー☆…

ESCAPE FROM NEW YORKとか

ESCAPE FROM NEW YORK 出版社/メーカー: Shout! Factory 発売日: 2015 メディア: Blu-ray この商品を含むブログを見る 壁で囲まれ監獄島と化したニューヨークへ大統領救出に向かうスネーク・プリスキンの物語。世界的な大都市を廃墟、それも堕落を極めた刑務…

シェロー演出「リング」への招待

バイロイト音楽祭創設百年記念上演のドキュメント。番組はバイロイトの大まかな歴史とその中でブーレーズ指揮、シェロー演出が何を意味しているかを解説している。 一時は殴り合いの事態にまで発展したという一九七六年の上演から六年も経過しているせいか、…

戦略大作戦と荒鷲の要塞の日常風景とか

ドイツ占領下のフランスから金塊を奪取する男たちの物語。我欲を隠すことなく軍規そっちのけで金塊を目指す男たちの性格描写(愚連隊西へと思い出させる)、独軍との和解(金塊のアリかを聞いて目の色をかえたり、ケリーの硬い表情をみてゆっくりとローマ式…

ニーベルングの指環 その演出と解釈

1976年のバイロイト百周年を記念して「<指環>はいま」と題して開催されたシンポジウムの記録。参加者は指揮者から歴史家まで様々だが、本書は特に演出家に重点を置いて書かれている。 メトロポリタンで指環を演出したシェンクのように北欧神話の延長で物語を…

完全なるワーグナー主義者

バーナード・ショーによる指環解説本。20世紀前半の教条的なリベラリストらしい社会主義リアリズム風な解読が特徴。北欧神話を素材につくられ、1945年のベルリン陥落を髣髴とさせる結末故にナチズムを用意したとまでいわれる作品を彼が解説しているのもなん…

指輪物語とか

冥王サウロンの野望を打ち砕くために指環を滅びの山へと運ぶ旅の仲間の物語。 ヴァイキング風の絵面で故郷奪還と王への忠誠を描いたのがホビット 思いがけない冒険なら、この三部作は中世騎士物語の幻想文学を利用した読替えだといえるだろう。富の象徴でも…

沖縄決戦とか日本のいちばん長い日とか

シンゴジの影響で岡本喜八が話題にあがることが多くなったので、土日をつかって「沖縄決戦」と「日本のいちばん長い日」を観た。 どちらも会議映画であり、(史実はどうあれ)現場の足を引っ張るのが陸軍上層部だという点では一致している。沖縄決戦では大本…

ホビット 思いがけない冒険

ドワーフとホビットらによる故郷奪還の旅、あるいは神々の黄昏から生き残ったものたちとライン川から蘇った指環の物語。(直接的なつながりはないが、一九世紀から二十世紀前半に書かれた”欲望を支配する指環”の物語とあれを結びつけるなという方が無理だ) …

ワーグナー:楽劇《神々の黄昏》 [メト1990年版]

ハーゲンの謀略によって記憶を失ったジークフリートと呆けた彼によってグンターに差し出された妻ブリュンヒルデの悲劇。 四夜のうち最も悲劇的、運命論的な作品だ。世界を知るために妻ブリュンヒルデのもとを発ったジークフリートはギービヒ家の悪漢ハーゲン…

ダンジョン飯 3巻

魔物を煮たり焼いたり食べたりするRPGグルメマンガの三冊目。相変わらず、剣と魔法の世界を料理(という科学)をもって引っ掻き回すのが良い。 苦労して倒した巨大イカを尻目に体内を這いずりまわっていた寄生虫を蒲焼きにして食べたり、食草の皮を向いて食…