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印象 2013/06/01-

オールタイムベスト http://efnran.hateblo.jp/entry/2016/01/01/000000

serial experiments lainを観直した。

おそらく、十七年ぶりの再鑑賞。最初はデジスタ関係の番組で紹介されていたのに影響されて鑑賞。当時は何が何やらさっぱりわからなかったのだけれど、ネット黎明期を経験してから改めて観てみると、いろいろと驚かされるものがあった。
 lainの世界では、バニヴァー・ブッシュのメメックスやテッド・ネルソンのザナドゥ計画といったハイパーリンクに関わる思想が大きな力を持っていること、それらがシューマン共鳴を利用した技術と統合されることで、現実と仮想空間の相互干渉が可能になっているなど、ある程度インターネットの歴史を押さえた上でオカルトチックな設定が展開されている。設定自体もワイアードザナドゥ計画を取り上げた今でも面白いんだけど、これが二人目の玲音を現実世界で、あるいは超自然的な形態で見たという証言、ありすが覗かれていたと怯えていた理由、ネトゲーに影響されての自殺、記憶の改竄といった謎かけを解く鍵になっているのが良い。

 あと、音響関連も良く出来ていた。毎度、冒頭で流れるモスキート音やそこに隠れるようにぶつぶつと呟かれる独り言、タイルを叩くような足音等々、ひとつひとつの音のつくりが丁寧で、効果音だけを聞いてみても飽きない。何より、モスキートやビープ音が生身の肉体によって立つはず現実が、機械によって侵食されるというテーマにあっている。

 玲音の無表情、狂気を感じさせる目、人格転換、押井のような電柱長回しと映像的なインパクトがすさまじい作品だけど、意外にもサイバーパンクとしても優秀な作品で面白かった。

 BD版は画質だけではなく、音響関係もいじっているらしいので、いつか観てみたいですね。