印象 2013/06/01-

オールタイムベスト http://efnran.hateblo.jp/entry/2016/01/01/000000

二月の読書やら鑑賞やら

 

 魔物を煮たり焼いたり食べたりするRPG料理本。宿や屋台を食べ歩くような所謂グルメ本というより魔物をつかった思考実験、作風は鼻行類に近い。魔物の筋の入り方を分析して倒し方、捌き方を研究したり解剖図で部位を示して適した調理法を模索したりとひとつひとつの説明に妙な説得力がある。ダンジョン内部の生態系を把握して生息域を把握し、自分の食べいる料理の食材に思いを馳せ(時には拒絶す)るところは特に斬新だった。SF的な発想が詰まった素晴らしい一冊。

宇宙人類学の挑戦―人類の未来を問う

宇宙人類学の挑戦―人類の未来を問う

 

 人類学的な発想で描く宇宙。地球外社会が誕生することによって生じる人間のアイデンティティの分化や無重力における奇形児の誕生、統治システムの変化などの将来的な問題から現にISSで生活している飛行士たちの重力観といったものまで過去未来を問わない、多種多様な分野からアプローチしているのが良い。個人的には宇宙人とコンタクトを行うにあたって問題になるであろう身体的、言語的な相違、ISSクルーが宇宙から地球を眺めた時の心理的状態、など思想関係の部分が面白かった。

 今後数十年でものになる学問ではないと思うが、空想から物事を考えるためのヒントをくれた一冊だった。 

エイリアン [Blu-ray]
 

 79年の遭難遭遇映画。男性器を模したエイリアンの造形もさることながら、その化物によって内蔵に卵を植え付けられるという設定、心音こだまする機関室、廊下に響く呼吸音などの音響にいたるまですべてが純粋で象徴的、深層心理に訴えかけるものがあった。(特に立ちすくむランバートを背後から引っ張るカットは卑猥で良かった。)ただシンボルを振りかざすのではなく、パニックホラーとしても楽しむことができるよう脚本に配慮が施されているのも素晴らしい。

 とにかく質感と音響がモノを言う作品なのでBD版が登場したことで作品の意義も高まったように思う。(卵の柔らかな質感、化物のイカ臭いてかり具合や精液のようなよだれがより生々しくなった。)

ダークナイト [Blu-ray]

ダークナイト [Blu-ray]

 

  08年のリヴァイアサン。マフィアを退治して正義の象徴と化したバットマンゴッサムを理由なき暴力が襲う。前作でモノレールからの脱出際やサーチライトに照らし出された姿によって示されていた「バットマンによって牽引される社会」がひたすら破壊されていく。映像的にはサーチライトの破壊や札束を燃やすことで価値観の混沌を示し、物語上では人民を人質にとった象徴殺し(蝙蝠男の仮面剥)、ホッブズ的なジョーカーの信念、トロッコ問題から引き出されるデントの苦悩、カルネアデス的な状況の中で生まれる利他性、によって倫理的な限界と希望を見事に表現している。映画的な構図や時系列的なプロットに囚われないノーラン一級の政治劇だった。

そして船は行く [DVD]

そして船は行く [DVD]

 

  85年のイタリア散骨旅行。フェリーニの映画というよりWWI前夜を戯画的に描いた作品。豪華客船のなかで故人の思い出話に花を咲かせ、亡き歌手のために歌い、時にはボイラー室で歌合戦に興じる様子は陽気で楽しい。グラスハープの音色にはうっとりさせらた。しかし、その一方で船外の風景は書割めいて客船自体もはりぼて、セルビア難民と楽しく踊っている間はインテリの分析癖、白人社会の上から目線が船上を支配し、時代錯誤的で虚しい雰囲気がブルジョア社会の終焉を予感させる。幻想的な雰囲気と世界史が互いに作用し合う奇妙な映画だった。

 

2015年2月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:1482ページ
ナイス数:47ナイス

キリンヤガ (ハヤカワ文庫SF)キリンヤガ (ハヤカワ文庫SF)感想
オリエンタリズムに憑かれた老人とユートピアの崩壊。食料事情や呪術師の呪いといった村の基盤自体がヨーロッパの技術によって支えられているという皮肉、文化的、精神的に当人らが満たされていたとしても一世代代われば生存本能によって内側から瓦解していく等々、70年代にヒッピーがぶつかった問題を戯画的に表現しているようで面白かった。
読了日:2月25日 著者:マイクレズニック
ダンジョン飯 1巻 (ビームコミックス)ダンジョン飯 1巻 (ビームコミックス)感想
魔物を煮たり焼いたり食べたりするRPG料理本。宿や屋台を食べ歩くような所謂グルメ本というより魔物をつかった思考実験、作風は鼻行類に近い。魔物の筋の入り方を分析して倒し方、捌き方を研究したり解剖図で部位を示して適した調理法を模索したりとひとつひとつの説明に妙な説得力がある。ダンジョン内部の生態系を把握して生息域を把握し、自分の食べいる料理の食材に思いを馳せ(時には拒絶す)るところは特に斬新だった。SF的な発想が詰まった素晴らしい一冊。
読了日:2月19日 著者:九井諒子
夜とコンクリート夜とコンクリート感想
惑星9の休日より幻想色強め。幼女が中性的でかわいい。
読了日:2月12日 著者:町田洋
少女終末旅行 1 (BUNCH COMICS)少女終末旅行 1 (BUNCH COMICS)感想
滅亡原因がはっきりしていないので、終末SFとかディストピアというより「渚にて」みたいな心地よい破滅もの。基本的な会話は日常系のそれだけど、涎が絡んだ指で風を感じたり、食料をめぐってグーパン食らわしたり、漏れたおこぼれのお湯でお風呂はいったり、無人の浄化設備の排水から魚を探したりと、ちゃんと終末感のあるポイントを掴んでいて時々ドキッとさせられる。いい感じにデフォルメされた半壊のビル群、チハや東京ローズに蔦が絡むような情景も味があって良かった。
読了日:2月12日 著者:つくみず
週刊 20世紀シネマ館 No.9 1938-41 昭和13~16年週刊 20世紀シネマ館 No.9 1938-41 昭和13~16年感想
アメリカ西部劇「駅馬車」VSフランスメロドラマ「望郷」。銀幕の主人公はジャン・ギャバン。可もなく不可もなく。
読了日:2月11日 著者:
宇宙人類学の挑戦―人類の未来を問う宇宙人類学の挑戦―人類の未来を問う感想
人類学的な発想で描く宇宙。地球外社会が誕生することによって生じる人間のアイデンティティの分化や無重力における奇形児の誕生、統治システムの変化などの将来的な問題から現にISSで生活している飛行士たちの重力観といったものまで過去未来を問わない、多種多様な分野からアプローチしているのが良い。個人的には宇宙人とコンタクトを行うにあたって問題になるであろう身体的、言語的な相違、ISSクルーが宇宙から地球を眺めた時の心理的状態、など思想関係の部分が面白かった。
読了日:2月7日 著者:岡田浩樹
アーロン収容所―西欧ヒューマニズムの限界 (中公新書 (3))アーロン収容所―西欧ヒューマニズムの限界 (中公新書 (3))感想
62年の日本人抑留。小便をかけられながらの厠掃除、脱衣中に入ってきた日本兵を虫のように無視する英国人など、あまり他の書では見られない英国人の視線が興味深い。ただ、個人的体験から西欧批判を展開する一方で愚直なグルカ兵、まぬけなインド、泥棒ビルマ人等々と収容所の人々を人種的偏見に基づいて描写し、更に日本人以下の人種として語り、その偏見を「無邪気」と片付けてしまうあたりは、時代を感じる。西欧批判に熱をいれるあまり、自分の人種的偏見に気づかないあたりは日本人ヒューマニズムの限界とも読める。そういう意味でも面白かっ
読了日:2月4日 著者:会田雄次

読書メーター

 

2月の鑑賞メーター
観たビデオの数:28本
観た鑑賞時間:3555分

エイリアン [Blu-ray]エイリアン [Blu-ray]
79年の遭難遭遇映画。男性器を模したエイリアンの造形もさることながら、その化物によって内蔵に卵を植え付けられるという設定、心音こだまする機関室、廊下に響く呼吸音などの音響にいたるまですべてが純粋で象徴的、深層心理に訴えかけるものがある。(特に立ちすくむランバートを背後から引っ張るカットは卑猥で良かった。)BD化にあたって画質も大幅に向上し卵の柔らかな質感、化物のイカ臭いてかり具合や精液のようなよだれがより生々しくなった。
鑑賞日:02月28日 監督:リドリー・スコット
突入せよ!「あさま山荘」事件 [DVD]突入せよ!「あさま山荘」事件 [DVD]
後藤田正晴の弟子で安全保障室所属の人間が書いた長野県警DISあさま山荘事件ルポ。混沌とした現場の雰囲気をやまびこのように山中に響き、山荘内でばちばちとした打撃音と鳴る銃声、時に「膠着状態ツヅク」と繰り返され、延々と交錯する無線、仲間を撃たれた九機の怒声と山荘内に流れ込んだ放水車の水の滴る音、異様な数のカット割等々の混沌とした演出によって再現。極寒のなか雪風と銃声に身を打たれながら人質を救出する機動隊員の画面を対策の気風をもって描写している。ただ、
鑑賞日:02月28日 監督:原田眞人
Seven Samurai - The Criterion Collection (七人の侍 クライテリオン版 Blu-ray 北米版)Seven Samurai - The Criterion Collection (七人の侍 クライテリオン版 Blu-ray 北米版)
焚き火を囲っている場面の官兵衛らが吐き出す白息が見えるほどに画質は向上、音質も冒頭の野武士の「またくるべぇ!」から殆どすべての台詞を聞き取れるようになっていて良かった。特に微妙な抑揚も聞き取れるようになったことで、演技の細部まで理解できるようになったのは大きい。ただ、コントラストをあげて映像にメリハリをつけた代わりに照明の位置関係、明暗がわからなくなっているので、このあたりは評価がわかれるところだろう。東宝版はどうなんでしょう。
鑑賞日:02月28日 監督:
荒野の七人 アルティメット・エディション [DVD]荒野の七人 アルティメット・エディション [DVD]
60年の七人の用心棒。早打ち競争で腕を磨いたガンマンが腕試しと慈愛のためにメキシコ農民を守る。ユル・ブリンナーをはじめ、マックィーンからブロンソン、コバーンなど60年代の渋い俳優たちが集結。七人の侍をベースとしてはいるが、各キャラクターの性格を西部劇的に描き直すことで原点とは一味違う作品になっている。配役も絶妙でブリンナーがガンマンの生き様を説き、ブロンソンが子ども達をなだめる光景は何とも微笑ましい。
鑑賞日:02月26日 監督:ジョン・スタージェス
七人の侍 [DVD]七人の侍 [DVD]
54年の野武士対策映画。守る側と守られる側双方の思惑と各々個人の性格をそれぞれ独立させ、さらに作戦準備描写(志村が地図を片手に視察すると加藤大輔らが丸太を運んでいる)によって整理し、クライマックスの実戦で一気に花開かせる構成が興味深い。特に武士と落武者を代表する官兵衛と農民の悲哀と意地汚さを象徴する菊千代をそれぞれ独立した存在として描くことで複数の視野を確保しているのは素晴らしい。これが百姓や菊千代への同情に基づくものだったなら、プロレタリア映画になっていただろう。ハムレットのような多角的な視野を持ってい
鑑賞日:02月26日 監督:黒澤明
ゼロ・グラビティ ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産)2枚組 [Blu-ray]ゼロ・グラビティ ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産)2枚組 [Blu-ray]
13年の3D表現に特化したアポロ13。シャトルを軸にクルクルと舞い、スクリーンの外へと飛び出す飛行士や破片の渦へと巻き込まれていく宇宙ステーションは圧巻。投げ出されたてから救出するまでの間やドッキングの際にシーンレベルで時間圧縮をせずに視覚的な一貫性を持たせているのも意外性があって面白かった。ただ、飛行服からの主観ショットに切り替える際にわざわざ回り込みんだり、衝突時には到来するデブリの映像を予告的に挿入するなど遠近感を強調しすぎていて、ちょっとやり方があざとい印象。良くも悪く見技術見本市的な作品。
鑑賞日:02月26日 監督:アルフォンソ・キュアロン
プレデター2 [Blu-ray]プレデター2 [Blu-ray]
90年の生皮と頭骸骨好きな猟奇殺人犯を追うコミカル刑事たちの物語。ただ消炎臭さを演出したいだけとしか思えない銃撃戦、肉体的な強さを誇示するための地下鉄への殴り込み、生首と死体を逆さに吊るす作業が淡々と続く等々、アクションとスプラッターの量だけは多いので退屈はしない。なぜ光学迷彩を生かすことのできないロスを選んだとか、刑事巻き込まれ型のプロットを選択したのかとか前作を意図した野暮な疑問を抱いてはならない。無心で火薬の臭いを嗅ぐための純正アメリカンな映画。
鑑賞日:02月25日 監督:スティーブン・ホプキンス
プレデター (特別編) [Blu-ray]プレデター (特別編) [Blu-ray]
87年の肉体派異星人と肉体派地球人類のファーストコンタクト(および肉弾戦)。光学迷彩を身にまといジャングルの縦横無尽に移動する敵、木陰に揺れ動く影に無闇やたらと機関銃を振り回すも逆に屠られていく兵士の画にはベトコン的な恐怖がある。ナム戦的な悲劇に終わるかと思いきや、蛍光色の液体や泥迷彩を発見することで肉体派ヒーローのシュワルツェネッガーが同次元に引き上げられ、雄叫びと血湧き肉躍る肉弾戦へと変貌していく展開も面白い。戦争映画から引いた題材を引用源の通りに調理し、ヒーロー映画へと昇華した傑作SF映画。
鑑賞日:02月25日 監督:ジョン・マクティアナン
ゴーストバスターズ [Blu-ray]ゴーストバスターズ [Blu-ray]
BD化にあたって吹き替えの音質が大幅に改善されたのが嬉しい。ただ、画質が向上したのと同時にクリーチャー類の抽象度が下がってしまっており、番犬やマシュマロマンが如何にもつくりものめいてしまっている。(それでも肥満スライマーの造形にゆらぎがないのは流石)。ある程度の不鮮明さが要求される作品はDVDで見たほうが良いかもしれない。
鑑賞日:02月22日 監督:アイバン・ライトマン
叛乱 [DVD]叛乱 [DVD]
54年二二六。軍部やブルジョアによる権力掌握を防ぐため、貧困にあえぐ農村のために青年将校らが立ち上がる。(表向き)。事件以前から昭和飢饉や奉公の意味合いについて将校らの間で意見が分裂し、またそれを修正せず勢いで蜂起したように描いているのが興味深い。戦前派が生き残っていた昭和三十年代だからできた作品。
鑑賞日:02月22日 監督:佐分利信,阿部豊
けんかえれじい [DVD]けんかえれじい [DVD]
66年のバンカラ。教会に出入りする岡山中学の学生が喧嘩の腕を見込まれてバンカラ集団にはいるも勢い余って国家権力を敵に回し亡命し、会津若松で名を挙げついには北一輝に影響され二二六へと向かう。新藤兼人脚本とあるが台詞の切り方くらいのもので、中身はただひたすら殴る蹴る度胸と愛嬌の60分と性欲の在り処と宗教云々と勢い余って渦中の帝都へと向かう16分。フィルムの中には古き良きバンカラ精神も悲哀に満ちた昭和史も存在しないが、なんとも形容しがたいエネルギーだけは確かに存在する。(フィルムの切り方とか構図とか分割表現とか
鑑賞日:02月22日 監督:鈴木清順
インセプション [DVD]インセプション [DVD]
10年の夢路。ゲームデザイナーたちが重火器で武装し鎮静剤で呼吸しながら階層化された夢へと潜る。RPGを戯画化したような世界設定がいい具合に映像表現につながっている。上層の物理的な状態が下部の世界で無重力や振動といった形で再現されたり、物理エンジンさえ機能すれば重力の在り方を変えてしまうことができる場面が良い。ただ、整合性のある世界観な割に設定や作戦の提示方法が語りに依存しすぎで映像的に混乱しているきらいがある。
鑑賞日:02月21日 監督:クリストファー・ノーラン
パプリカ [DVD]パプリカ [DVD]
06の今敏の夢路。千年女優における「映画を用いた枠物語」を映像表現に特化して再編集したような作品。宅急便のロゴをヒロインに置き換えたりポスターの中でビールを飲んだり馬に乗ったり、TVや映画スクリーン、絵画の額縁とフレームを重ね合わせたり手すりを乗り越えて別の場所へ飛んだり、畳み掛けるような書割破りがただただ恐ろしい。達磨と携帯と自由の女神が更新する様子や目が泳ぎそうになる色彩など、人間の認知能力を弄ぶような混沌も良い。お酒に合う作品だと思う。
鑑賞日:02月21日 監督:今敏
そして船は行く [DVD]そして船は行く [DVD]
85年のイタリア散骨旅行。フェリーニの映画というよりWWI前夜を戯画的に描いた作品。豪華客船のなかで故人の思い出話に花を咲かせ、亡き歌手のために歌い、時にはボイラー室で歌合戦に興じる様子は陽気で楽しい。グラスハープの音色にはうっとりさせらた。しかし、その一方で船外の風景は書割めいて客船自体もはりぼて、セルビア難民と楽しく踊っている間はインテリの分析癖、白人社会の上から目線が船上を支配し、時代錯誤的で虚しい雰囲気がブルジョア社会の終焉を予感させる。幻想的な雰囲気と世界史が互いに作用し合う奇妙な映画だった。
鑑賞日:02月21日 監督:フェデリコ・フェリーニ
トップガン [DVD]トップガン [DVD]
86年のF-14ドッグファイトや背面飛行等の曲芸、空母への離着陸などなど米海軍協力のもとに撮影された映像が兎に角すごい。特に冒頭の射出段取り描写は手順を踏みながらも軽快なテンポを保っていて、トニー・スコットのセンスを感じさせる。誘導員による誘導、カタパルトのチェック、排気遮蔽板の起こし、手信号、射出...を五分以内に圧縮しているオープニングだけでも見る価値があり。あと、軍に媚を売るようなプロパガンダ映画ではなく、トムクルーズのドヤ顔盛り合わせのアイドル映画に仕立て上げているのも興味深い。
鑑賞日:02月20日 監督:トニー・スコット
イントルーダー -怒りの翼- [DVD]イントルーダー -怒りの翼- [DVD]
90年のA-6。荒れ狂う弾幕の中へと突入するA-6のもっさりとした機影、コックピット内部から見た対空砲の嵐、ナム戦のお約束であるナパーム投下、複座独特の会話など攻撃機の特徴を良く捉えている。空戦映画の定番であるドッグファイト爆撃機ものの消炎臭さもないのに変な魅力がある。90年公開の映画のはずなのにナム戦の起源であるトンキン湾空母がいたり、そこからホーチミンを爆撃するためにA-6が飛び立ったり、心の傷を癒すために米兵がクラーク基地で大暴れしたり、いまや保守層にも受けなさそうな要素が盛り込まれているのも
鑑賞日:02月20日 監督:ジョン・ミリアス
ブルー・マックス スタジオ・クラシック・シリーズ [DVD]ブルー・マックス スタジオ・クラシック・シリーズ [DVD]
66年のファルツ D.III。まだ貴族の手の中にあったWWIの欧州の空に庶民出身のエースパイロットがメリット勲章を目指して殴り込みをかける。三年間を塹壕で過ごした陸軍叩き上げの主人公がスポーツ感覚で空中戦を嗜んでいた貴族たちの和を乱していくのが面白かった。戦争のはらわたで鉄十字を授与していたメイソンがメリット勲章を扱っているが、式典の際に見せる表情は穏やかでコバーンを相手にする頃ほど切実ではない。スタッヘル中尉が暴れないと勲章の重みに変化が生じないところに総力戦以前の穏やかな時代を感じる。
鑑賞日:02月20日 監督:ジョン・ギラーミン
モロッコ(トールケース) [DVD]モロッコ(トールケース) [DVD]
モロッコを舞台にした女たらしのゲイリー・クーパーとワケあり酒場女マレーネ・ディートリッヒの惰性恋愛劇。ディートリッヒのツンツンした態度がクーパーの砂漠越えで頂点に達してデレ落ち、素足で隊列についていこうとする毛長な後ろ姿で終わるEDがよかった。
鑑賞日:02月19日 監督:ジョゼフ・フォン・スタンバーグ
マン・オブ・スティール ブルーレイ&DVD(初回限定生産)マン・オブ・スティール ブルーレイ&DVD(初回限定生産)
13年のスーパーマン。墜落すれば斜面崩壊を引き起こし、突き飛ばされたらビルを貫通し倒壊させる鉄の男。超人の「硬さ」と構造物の「脆さ」をうまく利用た非常に3D映えする映画だった。ただ、目玉であるはずの脚本が妙に荒い。超人、異邦人としての自分と地球の父権の間で引き裂かれる自己を描くまではいいのだが、肝心の克服方法が女性を通した博愛精神の形成と如何にも通俗的。成長物語的な基本プロットと大仰で騎士道的な映像表現の間で引き裂かれている。良くも悪くもマイケル・ベイ的な映画で、監督は組むべき相手を間違えている印象。
鑑賞日:02月17日 監督:ザック・スナイダー
アイドルを探せ(1963) [DVD]アイドルを探せ(1963) [DVD]
63年のアイドル喜劇。若気の至りでダイヤを盗んでしまった青年がものを回収するために奔走する。60年代のフランスのアイドルめぐりが大筋の作品だが主人公の立ち位置の微妙さが功を奏して(オーケストラの少女のような)わずらわしさのない作品になっている。儚さ漂うシルヴィ・バルタン、さわやかなミレーヌ・ドモンジョ、コミカルなシャルル・アズナブールが実の良い味を醸し出している。
鑑賞日:02月13日 監督:ミシェル・ボワロン
ダークナイト ライジング [DVD]ダークナイト ライジング [DVD]
12年の日はまた昇るバットマンを貶め強力な治安維持法を手に入れたゴッサムに悪魔の頭が再来する。(前作の緊急避難をモチーフにしたシナリオには及ばないし、そもノーラン自身が乗り気でなかったこともあって脚本、モチーフ諸々にちぐはぐ感があるが)通信、ライフラインを寸断された無法地帯で大量殺戮兵器を用いた人質作戦が決行されるという、まるでP2を模したような擬似戦争状態だけで御飯三杯はいける。「星条旗よ永遠なれ」に合わせて崩壊していく都市とその治安の何と美しいことか。
鑑賞日:02月13日 監督:クリストファー・ノーラン
太平洋航空作戦 [DVD]太平洋航空作戦 [DVD]
55年の米軍から見た太平洋戦線。ガダルカナルはヘンダーリンを部隊に鬼隊長ジョン・ウェインと飄々ヤンキーたちが日本軍に立ち向かう。ミッドウェー以降の戦場を舞台としていながら隊を勝手に離れた部下が叱責されて軍法会議送りにされかけたり、墜落したり撃ち殺されたりと戦勝国側の作品にしては戦況が厳しい。物語も日本軍を相手にするなら強固な意志と強い心を持った指揮官の必要性を説くもので、今時の七面鳥撃ち気分の米軍とは違う。昨今、金歯の資源として描かれがちな日本兵を一筋縄ではいかない強敵として描いている珍しい作品だった。
鑑賞日:02月11日 監督:ニコラス・レイ
ジュラシック・パーク [DVD]ジュラシック・パーク [DVD]
93年の恐竜園。実物大のティラノサウルスやラプトルの造形もさる事ながら、小鳥の囀りや雨が車を叩き、ずぶずぶと泥が車を飲み込む音など、周辺の雰囲気もしっかりと作りこまれていて、地に足のついた迫力がある。また、公園の演出の一部と称して恐竜復活のプロセスや変人の戯言としてカオス理論を説明するなど、クライトンによる原作の魅力をちゃんと取り込んでいる。設定説明の挿入方法が秀逸でパニック映画でありながら、ちゃんとSFとしても見ることができる傑作
鑑賞日:02月11日 監督:スティーブン・スピルバーグ
暁の出撃 -HDリマスター版- [DVD]暁の出撃 -HDリマスター版- [DVD]
55年のチャスタイズ作戦。ルール工業地帯の工場を水没させるべく飛び立ったランカスターと跳躍爆弾の開発物語。よく出来た作戦映画で石をつかった水切り実験にはじまり、火薬をつかったコンクリート破壊実験、ウェリントン爆撃機からの投下実験、ランカスターをつかった投下照準実験等々、作戦に必要な要素をひとつひとつ描写。悲恋も軍隊賞賛批判もなく、水切りから爆弾の耐久試験まで、作戦を成功させるために「回数をこなして実証している」のが印象的。地味な努力の積み重ねが最後のダム破壊で花開く場面ではウォリス技師と一緒にため息
鑑賞日:02月09日 監督:マイケル・アンダーソン
エクソダス:神と王エクソダス:神と王
15年の聖史劇。セシル・デミルの「十戒」を合理的に説明した作品。血染めの川や魚の大量死、蛙やバッタの大量発生を映像で説明(台詞による説明はデミル版から存在)、紅海割も流れ星のカットを挿入することで自然現象としている。モーセを武闘派路線の戦士、神を同格の存在と考えエジプト人への報復を止めようとする存在と描いているのは興味深い。(まるでクリスチャンベールのために作られたキャラクターだ)
鑑賞日:02月07日 監督:リドリー・スコット
ダークナイト 特別版 [DVD]ダークナイト 特別版 [DVD]
08年のリヴァイアサン。マフィアを退治して正義の象徴と化したバットマンゴッサムを理由なき暴力が襲う。前作でモノレールからの脱出際やサーチライトに照らし出された姿によって示されていた「バットマンによって牽引される社会」がひたすら破壊されていく。映像的にはサーチライトの破壊や札束を燃やすことで価値観の混沌を示し、物語上では人民を人質にとった象徴殺し(蝙蝠男の仮面剥)、ホッブズ的なジョーカーの信念、トロッコ問題から引き出されるデントの苦悩、カルネアデス的な状況の中で生まれる利他性、
鑑賞日:02月06日 監督:クリストファー・ノーラン
バットマン ビギンズ [DVD]バットマン ビギンズ [DVD]
05年の蝙蝠男の成長物語。原作に脈々と流れてきたバットマンの非超人性、政治観をクローズアップ。バットマンが完成するまでの過程を親の仇討ちと巨悪の関連性、正義の象徴性の発見といったプロットレベルのディテールやコンバットスーツの発見や耳の試作やマントの開発、果てはスーツの塗り直し等を事細かく描くことで現実感を確保。単なる記録映像風の構図や長回しによる時間表現に頼らず“リアル”を追求しているのが面白かった。(アーカム病院の水道管に1ショット挿入するあたりにやりすぎ感があるが)
鑑賞日:02月02日 監督:クリストファー・ノーラン
天空の城ラピュタ [DVD]天空の城ラピュタ [DVD]
86年のラピュタ。空から落ちてきた女の子と炭鉱夫が空中都市を目指す冒険活劇。物語の筋自体はシンプルだがシータ降下直後からラピュタの長々とした回想が挿入されるなど、冒険活劇にしては説明が多い。多いが、その説明がうまい。パズーのラピュタ解説にはドーラ一家の強襲、シータの説明の前には軍による追跡を挿入、シーンの切り方や運び方もダイナミックで心地よい。キャラクターも機械類も背景も絵画調に統一、動画もアニメ的な構図や画角を最大限に引き出して独特な雰囲気を作っている。オーソドックスに見えるが凝りに凝った名作。
鑑賞日:02月01日 監督:宮崎駿

鑑賞メーター

 

 

KUROSAWA~THE FILM MUSIC OF AKIRA KUROSAWA~

KUROSAWA~THE FILM MUSIC OF AKIRA KUROSAWA~

映画主題歌 音楽 1998年02月12日 Amazon.co.jpで見る Amazon.co.jp ¥ 2,477
いい感じにモノラルの質感を残しながらマスタリングしてあるのが良い。弦楽の鮮明さとモノラルのぼやっとした音が同居した奇妙なCDだけど、隠れた名盤だと思う。ステレオ移行前の七人の侍蜘蛛巣城、隠し砦、用心棒は特の良い。

読了日:2015年02月24日

他の男の精液で孕んでもいいですか・・・?4 憧れていた先輩のむっちり美乳は僕のものではなかった
良質な教師ねとられもの。純愛ルートにありがちな青姦が第三者によって逆利用され最終的に寝取られていく展開が良かった。見切りをつけるイベントもヒロイン側、主人公側双方の心理を丁寧に描写していて、タイミングも抜群。アトリエさくらは最近、男根に依存している雰囲気があるので、この頃に戻って欲しい。

読了日:2015年02月15日

ボクの目の前で親友に抱かれ腰を振る彼女
従来のNTRを表現するためのヒロインの懺悔や第三者のドヤがを抜いて純文学的なスタイルでシナリオを構築したら、何がなんだかわからなくなった感がある。少なくとも寝取られ作品ではない。

読了日:2015年02月15日

ダークナイト・ライジング オリジナル・サウンドトラック
ライジングの価値はサントラ、それもGotham's Reckoning一曲にあると思う。すーぱーうーふぁーをガンガン聞かせて聞くと良い。脳幹が震える。

読了日:2015年02月15日

愛する妻が目の前で他人棒に貫かれ、よがり喘いでいく。ゴメンなさいあなた。でも、私気持ちいいの・・・
主人公とのイベントシーンまでは良かったが、強姦からNTRに流れるまでの心理描写が男根に頼りすぎており、感情移入を阻んでいる感がある。

読了日:2015年02月15日