印象 2013/06/01-

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一月の読書やら鑑賞やら

 

Interstellar

Interstellar

 

 

2014年宇宙の旅。基本的にはインセプションプレステージで培った映像美の披露だが、本筋はクラークの宇宙や未来への旅、キューブリックの描いた「70年代の現実的な宇宙開拓」の翻案。エウロパをガルガンチュラに置き換え、脱出方法や遭遇劇にアレンジを加えて移植している。ただ真似するのではなく、探索の動機付けに終末SF風の危機を設定したり、エウロパでの遭遇劇、超人化に多世界解釈を導入して家族劇へと収束させるなどアレンジも刺激的で鑑賞後には魂をもっていかれた。

 打ち上げ台付近から見たアンビリカルケーブル分離、宇宙探査から窓枠越しにみるドッキングなど記録映画風の映像を主軸に、IMAXで撮影した情景をところどころに挿入することで宇宙船の狭さや宇宙の広大さが十二分に表現できていて、これも面白かった。

鑑賞日:01月02日 監督:クリストファー・ノーラン

 

捕虜―誰も書かなかった第二次大戦ドイツ人虜囚の末路 (学研M文庫)

捕虜―誰も書かなかった第二次大戦ドイツ人虜囚の末路 (学研M文庫)

 

 

80年の欧州捕虜事情。西は英仏から東はシベリアに囚われたドイツ兵たちの戦後。ルール地方で野ざらしにされた片輪の負傷兵、大人と共に飢えと寒さに耐える少年兵、フランスで地雷撤去に従事させられた一般兵など、あまり触れられる事のない西側の不正についてもかなりのページを割いていている。特に戦後になって独兵が仏外人部隊に参加した理由に過酷な炭鉱労働からの逃避があったことなどは非常に興味深かった。

 個人的に印象的だったのは英収容所からの脱走劇。ドーバー海峡までUボートを呼び寄せ帰還するというものだが、おそらく「マッケンジー脱出作戦」の元ネタ。英国側がドイツ兵を縛った事件から発生した捕虜束縛合戦、機密を自白した乗組員がまさか史実だとは思わなかった。

 また、意外なことにソ連は復讐のためというより人的資源として独兵を見ていたようで、暴力より過酷な労働や飢餓が問題だったらしい。特に食料不足は深刻だったようで、飢え死には日常茶飯事、輸送途中にもボルトに垂れた雫をめぐって争いが起こるほど。一方で、作物の収穫を量ではなく土地の広さで誤魔化したり、技巧を凝らした“数え間違い”で仕事をごまかしても“書類上”だけ通すなどソ連らしいおおらかな手抜きが公然と行われていたという。他にも収容所にパンとミルクを差し入れにきた民間人の話など、如何にも無知と人情が共存した、かつてのロシアらしいエピソードが挿入されている。

 「アーロン収容所」のように組織や民族についての考察がないため教訓を得ることはできないが、個々の事例のインパクトがそれを補っている。戦争の後片付けが如何に大変なものか思い知らされた一書。

読了日:1月29日 著者:パウルカレル,ギュンターベデカー

 

戦闘機対戦車 [DVD]

戦闘機対戦車 [DVD]

 

 

基地外が戦車に乗ってやって来る。迫り来る基地外ジェリ公から羽の折れたP-40に乗った軟弱ヤンキーと堅物ブリティッシュが逃げ惑う。「眼光鋭く顔を引きつらせ怒鳴る将軍」の指示のもと「履帯に巻き込んだ砂を前に吐き出しつ前進」し、「重い長砲身75mm用砲弾を両手で装填し」、時に「不発弾でタイミングを逃し」つつもアメ公めがけて発射する。もちろん、撃ったあとは「薬莢を専用扉から廃棄」。ここまでカメラワークに注意して戦車のディテールを描き込んだ映画ははじめてみた。

 お金がないので戦車はM4だが、これまたパンターに似せつつハリボテ感をださないように、アイレベルや砲塔真横真正面から撮影して砲塔の膨らみをできるだけ見せないためしたり、できるだけアイレベルから撮影してシルエットの違和感を感じさせないように工夫が施されている。ただ「硬い」だけが戦車ではないのがよくわかっている。

 P-40も「ラジエターから漏れ出た湯気」や「エンジン音をばらつかせる」ことによって地を這いつくばっている感を出している。元々、米国のごつい戦闘機というのもあるが、ちゃんと鉄の塊ということがわかる。これがまた、熱砂や地平線似合うのだ。物語も独将校と戦車兵の邂逅を強調するように組まれていてよかった。素晴らしい。

鑑賞日:01月20日 監督:デヴィッド・ローウェル・リッチ

 

 

マーフィの戦い -HDリマスター版- [DVD]

マーフィの戦い -HDリマスター版- [DVD]

 

 

グラマンJ2F対Uボート。同胞を弔うために英国人が水陸両用機で南米の空を飛ぶ。目を血走らせて潜水艦を追うP.オトゥールの演技も良いが、それに引けを取らないほどにJ2Fの精細な描写が圧倒的。プスプスバチバチと咳き込みながらも頑張るエンジン、脚を震わせながらも必死に水を掃くフロート、離陸後のエンジン不調や失速の中にあっても機体を支え続ける翼等々、機械の身体的表現というべき部分を細かく描き込んでいる。

 敵であるUボートも潜水時に横舵のカットを入れたり、スクリューが巻き込んだ泥を描いたりとなかなかのもの。他にも旋盤で個々の部品をいじるカットがあるなど、機械関係の描写は兎に角濃密。ただ、肝心の戦法はサーチ&デストロイ、物語がマーフィーの殺意に重点を置いているので、いまいちまとまりに欠けていたと思う。地図を用いた立案場面くらいはいれてもよかったのでは。
鑑賞日:01月19日 監督:ピーター・イエーツ

 

 

舞踏会の手帖 [DVD]

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37年回想の旅。未亡人がかつての恋人を訪ね、思い出の切なさ、人生の残酷さを知る。監督は一人なのにオムニバスを名乗る不思議な作品だが、個々のエピソードの色彩がまったく異なるので違和感がまるでない。誰もいないはずの部屋をひたすら掃除し続ける女、氷菓子になり常にニヒルな笑いを浮かべる男、、ベトナムに心も体も引き裂かれ港町の轟音に頭をかきむしる男等々、ミステリーからハードボイルド、果てはパーソナリティ障害まで揃っていて、そのレパートリーの多さには驚かされるばかりだった。

 舞台も酒場や教会と次々と飛び移り、その度にカメラワークにも変更が加えられる。特に精神疾患にあえぐ男のエピソードは苦痛を表現するためにフィルターをかけて画面を歪ませたり、カメラを傾けたりと工夫が凝らされていて唸らされる。老境にはいったら一度は見直したい作品。

 

 

2015年1月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:3101ページ
ナイス数:45ナイス

捕虜―誰も書かなかった第二次大戦ドイツ人虜囚の末路 (学研M文庫)捕虜―誰も書かなかった第二次大戦ドイツ人虜囚の末路 (学研M文庫)感想
80年の欧州捕虜事情。西は英仏から東はシベリアに囚われたドイツ兵たちの戦後。ルール地方で野ざらしにされた片輪の負傷兵、大人と共に飢えと寒さに耐える少年兵、フランスで地雷撤去に従事させられた一般兵など、あまり触れられる事のない西側の不正についてもかなりのページを割いていている。特に戦後になって独兵が仏外人部隊に参加した理由に過酷な炭鉱労働からの逃避があったことなどは非常に興味深かった。他にも
読了日:1月29日 著者:パウルカレル,ギュンターベデカー
人類は衰退しました 2 (ガガガ文庫)人類は衰退しました 2 (ガガガ文庫)感想
07年の心地よい破滅。登場するガジェットは知能後退と時間跳躍と大きく二つでどちらも巻き込まれ型の展開。前者は体のサイズに合わせて発音能力や読解力が変化したり、美意識が変化したりと某キイス文庫をさらにバラエティ豊かにしたかのような作風が楽しかった。引用源とは違うハッピーエンドになったのも良。時間跳躍はSF者がブチ切れそう。
読了日:1月23日 著者:田中ロミオ
干物妹! うまるちゃん 4 (ヤングジャンプコミックス)干物妹! うまるちゃん 4 (ヤングジャンプコミックス)感想
のんのんびより化したかと思えば、いつの間にかヲタライフハックに変質していた。シルフィンかわいい。
読了日:1月22日 著者:サンカクヘッド
人類は衰退しました (ガガガ文庫)人類は衰退しました (ガガガ文庫)感想
07年の心地よい破滅。文明崩壊後の世界で生きる「私」の妖精(のような容姿を持つ「何か」)観察日誌。 場の楽しい度に比例して離合集散するほどに不安定な存在なのに楽しい度が上がり続けると発生源(おかしと私)を崇拝したり、人類の進化をエミュレーションしたり、一々サイバーパンクっぽい。児童文学のような文体だが、内容は早川JAから出版されていてもおかしくないくらいにSFしているラノベだった。
読了日:1月18日 著者:田中ロミオ
地球幼年期の終わり (創元推理文庫)地球幼年期の終わり (創元推理文庫)感想
53年の地球動物園、オーバーロードの手を借り高次元へシフトアップ。地球全体を圧倒し、隅々まで監視することで実現した恒久的平和、もはや魔法と区別がつかないまでに進化した科学技術によって保証された衣食住等々のクラーク流ユートピア設定が光る。観測問題がまだまだフィクションに浸透していなかった頃に上位存在や次世代の子ども達の行く末に意識体を設定しているのは感心した。
読了日:1月16日 著者:アーサー・C・クラーク
3001年終局への旅 (ハヤカワ文庫SF)3001年終局への旅 (ハヤカワ文庫SF)感想
クラーク流のユートピア小説。2001年に失踪した某が千年後の知の非細胞化が完了し、人間とその他生物の区分もなくなった理想世界をレポート。クラークらしいテクノロジー描写が満載で旅行記として読むのには楽しい。が、盛り込まれている設定に現実感がある割に、あまりに理想的すぎて読んでいて不安になってきた。モノリスを破壊するに至る動機も高尚すぎる印象。
読了日:1月14日 著者:アーサー・C.クラーク
2061年宇宙の旅 (ハヤカワ文庫SF)2061年宇宙の旅 (ハヤカワ文庫SF)感想
小説仕立てのハレー彗星エウロパ探査予測レポート。物語自体は渇きの海に近いものが、元がガリレオによる木製探査を描き起こすことを目的に書かれた本だからなのか、ドラマチックな展開は極力抑えている。フロイドやエウロパのその後を知るにはいいが、作品単体を評価するのは非常に難しい。
読了日:1月10日 著者:アーサー・Cクラーク
けんもほろろ(1) (バンブーコミックス)けんもほろろ(1) (バンブーコミックス)感想
良心の残っている平成生まれ。テストをまじめに受けようとしているあたりに、まだ正気への未練を感じる。
読了日:1月9日 著者:ハトポポコ
パニッシュメント (ガガガ文庫)パニッシュメント (ガガガ文庫)感想
ティーンエイジャーと宗教的信仰と権威。精神的に今一歩成熟することのできない悩み多き教祖の息子をめぐって、宗教に夢と権威を見出す不思議系少女と恋するボーイッシュが踊る。 教団や少女の立ち位置がオモイデ教に通じるものがあるが、ハイティーン独特の微妙に現実感のある視点や会話が別種な雰囲気を醸し出しているので気にならない。むしろ、思春期末の不安定な時期に自分の限界を心得たうえで絶望し、神を待ち望みつ殺そうとする登場人物らの思考はオモイデ教が提示した問題をさらに深く掘り進んでいるようで非常に興味深かった。
読了日:1月7日 著者:江波光則
満月エンドロール(下) (イブニングKC)満月エンドロール(下) (イブニングKC)感想
徐々に走馬灯の虚構性に気づきだしたあたりの不安感、虚脱からくる妙な安心感が良かった。ただ、中盤の謎解きがけっきょく本筋に絡まず、延々語られ続けてきた生前のエピソードのひとつに収まってしまったのは残念。
読了日:1月3日 著者:野村宗弘

 

 

1月の鑑賞メーター
観たビデオの数:16本
観た鑑賞時間:1879分

十戒 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]十戒 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
スペクタクル全盛期の1956年に公開された聖史劇。聖書をわかりやすく噛み砕き、庶民に広めるために始まった演劇がこんな壮大な作品へと進化しているのは何やら感慨深いものがある。囚われのユダヤ人の手で建設されていくテーベの都市や巨大なファラオ像、血に染まるナイル川、真っ二つに割られる紅海etc...と信仰云々より視覚的なインパクトを重視したダイナミックな画面は見事という他ない。贅を尽くしてセットや鮮やかな朱色の衣装、ロングショット七割で撮影された絵画的な構図は是非、元の70mmで見ておきたい。
鑑賞日:01月31日 監督:セシル・B・デミル
天地創造 [DVD]天地創造 [DVD]
66年の聖史劇。演劇的な、スペクタクルな、何より思想的な原点である旧約聖書の映画化。歴史的興業的失敗作であるクレオパトラから三年後の作品のため画面がやや寂しいが、巨大な方舟やバベルの塔を雄大な書割と組み合わせることでスペクタクル映画の威厳を引き出している。黛敏郎のサントラも幻想的で雰囲気があって良い。アブラハムにスコット、天使をオトゥールが演じるなど配役にも彩がないが、いずれの人物も“顔に苦労の皺を寄せた容姿と演技”で作品を支えている。(スコットの演技はやや大仰すぎる感があるが)
鑑賞日:01月30日 監督:ジョン・ヒューストン
ベイマックスベイマックス
14年の米ロボットアニメ。介護ロボットが14歳天才少年の復讐のために立ち上がる。原作が日本を舞台にした作品ということもあってか、ジェットスクライダーやロケットパンチなど某Zアニメから盛大に引用されている。日本式ロボが3D表現上で空を駆け、戦う様子は中々面白かった。ただし、回り込み演出のような凝った技巧や日本的な大仰な台詞回しがなく、また物語もディズニー的な良心の枠内に留まっていたこともあって、アクションの魅力をいまいち引き出せていなかったように思う。良くも悪くもディズニー止まりの普通の作品。
鑑賞日:01月27日 監督:ドン・ホール,クリス・ウィリアムズ
ポワカッツィ [DVD]ポワカッツィ [DVD]
87年のオリエンタリズムコヤニスカッツィの西欧文明批判に対応する形で生まれた作品で、東南アジアの原始的な生活をユートピアとして描写。原始生活の破壊者として消費文明を描くなど前作のテーマも引き継いでいる。 己の肉体を誇示するかのように裸一貫で土嚢を運ぶ男たち、ゆったりとした農作業や葬列、無邪気に笑い遊ぶ子どもたちと大量の物質と時間を恐るべき速さで消費していく都市文明の対比が面白い。それが正しいかどうかとか、東方趣味的だとかはさておいて。
鑑賞日:01月25日 監督:ゴッドフリー・レジオ
コヤニスカッツィ [DVD]コヤニスカッツィ [DVD]
82年の文明批評。荒涼としたアメリカの大地が幾何学的な推理によって誕生した都市によって秩序化され、そこに大量生産技術によって生まれた車が走行することで時空間までもが圧縮されて行く。自然やビル群などののんびりとした風景と交通や工場の生産ラインの忙しない様子をそれぞれ長回しと低速度で撮影することで視点の違いや技術的な変容を表現しているのが良かった。メッセージ自体は単純な科学批判だが、それを伝えるためにセリフを一切排して風景と編集で伝えようとしているのも面白い。(最後のシャトルのカットは少々あざとい)
鑑賞日:01月24日 監督:ゴッドフリー・レジオ
望郷 [DVD] FRT-171望郷 [DVD] FRT-171
37年のアルジェリアはカスバ。まだまだアルジェリアが荒れていなかった頃の作品なだけあってアラビア中世風の家々、そこに蠢く無数の人種や宗教、それらが生み出す熱気が伝わってくる。物語はパリ逃れのヤクザ親方ぺぺが部下をフランス警察の罠で失ったり、パリの香りをまとったマドンナに惚れて身を滅ぼすという何ともロマンチックなお話。アルジェでヤクザを演じるなら、南国の下品な雰囲気をまとわなければならないが、ぺぺのキザな演技がパリへの未練という一点において正当化されている。ギャバンの演技が妙な塩梅で物語に溶け込んでいる作品
鑑賞日:01月24日 監督:ジュリアン・デュヴィヴィエ
舞踏会の手帖 [DVD]舞踏会の手帖 [DVD]
37年回想の旅。未亡人がかつての恋人を訪ね、思い出の切なさ、人生の残酷さを知る。監督は一人なのにオムニバスを名乗る不思議な作品だが、個々のエピソードの色彩がまったく異なるので違和感がまるでない。誰もいないはずの部屋をひたすら掃除し続ける女、氷菓子になり常にニヒルな笑いを浮かべる男、、ベトナムに心も体も引き裂かれ港町の轟音に頭をかきむしる男等々、ミステリーからハードボイルド、果てはパーソナリティ障害まで揃っていて、そのレパートリーの多さには驚かされるばかりだった。
鑑賞日:01月22日 監督:ジュリアン・デュヴィヴィエ
2001年宇宙の旅 [DVD]2001年宇宙の旅 [DVD]
68年宇宙の旅。回転する宇宙ステーションに同期して着陸するシャトル、遠心力を利用した重力発生の演出などアポロ11号打ち上げ前とは思えないほど現実味のあるシーンが盛りだくさん。円や正方形を意識した幾何学的な人物と小物のレイアウト、徹底した収束点のコントロールなどキューブリックらしい構図も効いている。(美しすぎて観ている途中に不安になってきた)最近、インターステラーが同様なモチーフを採用していたけど、極端に形式主義的な彼のカメラワークまでは真似できなかったようで、その意味でこの作品の価値は落ちていない。
鑑賞日:01月21日 監督:スタンリー・キューブリック
スター・ウォーズ エピソード6 ジェダイの帰還 リミテッド・エディション [DVD]スター・ウォーズ エピソード6 ジェダイの帰還 リミテッド・エディション [DVD]
83/97年のスペースオペラ。ルークの成長、ソロとレイア姫の関係が安定したことで物語の展開がより壮大になり、またそれに合わせて演出、カメラワークものびのびとしたものになっている。ライトセーバーをつかった跳弾、木々を避けながらのスピーダーバイクをつかった追いかけっこ、お馴染みX-ウィン具の隊列飛行などアクションのボリュームも十分。普通のSF映画なら蛇足と切り捨てられたであろうエンドアの森も絶妙に溶け込んでいて良かった。
鑑賞日:01月21日 監督:リチャード・マーカンド
戦闘機対戦車 [DVD]戦闘機対戦車 [DVD]
基地外が戦車に乗ってやって来る。迫り来る基地外ジェリ公から羽の折れたP-40に乗った軟弱ヤンキーと堅物ブリティッシュが逃げ惑う。「眼光鋭く顔を引きつらせ怒鳴る将軍」の指示のもと「履帯に巻き込んだ砂を前に吐き出しつ前進」し、「重い長砲身75mm用砲弾を両手で装填し」、時に「不発弾でタイミングを逃し」つつもアメ公めがけて発射する。もちろん、撃ったあとは「薬莢を専用扉から廃棄」。ここまでカメラワークに注意して戦車のディテールを描き込んだ映画ははじめてみた。
鑑賞日:01月20日 監督:デヴィッド・ローウェル・リッチ
スター・ウォーズ エピソード5 帝国の逆襲 リミテッド・エディション [DVD]スター・ウォーズ エピソード5 帝国の逆襲 リミテッド・エディション [DVD]
80年公開のスペースオペラ。前回の友情騎士道物語から一歩後退して、剣術と精神の鍛錬や父との葛藤が描かれる。 ストレートに帝国との正面衝突に向かわないあたりがちょっと特殊だが、EP6への接続のことを考えると非常によく出来た作品構成。インペリアルマーチをはじめとしたライトモチーフも豊富で音からスケールの大きさを感じさせてくれる。デストロイヤーの艦隊運動、赤ベコのように可愛いATもよかった。
鑑賞日:01月20日 監督:アービン・カーシュナー
マーフィの戦い [DVD]マーフィの戦い [DVD]
グラマンJ2F対Uボート。同胞を弔うために英国人が水陸両用機で南米の空を飛ぶ。目を血走らせて潜水艦を追うP.オトゥールの演技も良いが、それに引けを取らないほどにJ2Fの精細な描写が圧倒的。プスプスバチバチと咳き込みながらも頑張るエンジン、脚を震わせながらも必死に水を掃くフロート、離陸後のエンジン不調や失速の中にあっても機体を支え続ける翼等々、機械の身体的表現というべき部分を細かく描き込んでいる。敵であるUボートも潜水時に横舵のカットを入れたり、スクリューが巻き込んだ泥を描いたりとなかなかのもの。
鑑賞日:01月19日 監督:ピーター・イエーツ
スター・ウォーズ エピソード4 新たなる希望 リミテッド・エディション [DVD]スター・ウォーズ エピソード4 新たなる希望 リミテッド・エディション [DVD]
77年公開のスペースオペラ。大味な騎士道物語も本気でやれば壮大な物語になりうることを実証してみせた傑作特撮。構造物を貼り付けることでゴテゴテ感を醸し出しているデススターとミレニアムファルコン、無数のパネルラインをひくことで“機械的な雰囲気”をだしているXウィングのハッタリ感が良い。東宝特撮のような“状況表現”をわざわざ挿入せずとも、ハッタリの効いた精密感のあるミニチュアに焦点を定めれば自然に緊張感がわいてきて観客を圧倒する。
鑑賞日:01月15日 監督:ジョージ・ルーカス
フューリー(ブラッド・ピット主演) [Blu-ray]フューリー(ブラッド・ピット主演) [Blu-ray]
ボーイズ&パンツァー。飛び交う曳光弾、悠々とM4の75mmを吹き飛ばし、逆に屠っていくタイガーI、これほど“鉄の嵐”を表現しきった映画はこれまでなかったように思う。特に耳をつんざくような跳弾音や霧に濡れる装甲、春先の泥土を確実に踏みしめるキャタピラ等々の質感表現が素晴らしい。B&Bでも見ることのできなかった鉄の塊としての戦車の特徴を十二分に押さえている。(このあたりはG&Pとは別ベクトルで良かった)。
鑑賞日:01月12日 監督:
インターステラーインターステラー
2014年宇宙の旅。基本的にはインセプションプレステージで培った映像美の披露だが、本筋はクラークの宇宙や未来への旅、キューブリックの描いた「70年代の現実的な宇宙開拓」の翻案。エウロパをガルガンチュラに置き換え、脱出方法や遭遇劇にアレンジを加えて移植している。もちろん、ただ真似するのではなく、探索の動機付けに終末SF風の危機を設定したり、エウロパでの遭遇劇、超人化に多世界解釈を導入して家族劇へと収束させるなど刺激的なアレンジが加えられていて唸らせられる。
鑑賞日:01月02日 監督:クリストファー・ノーラン
ドキドキ! プリキュア 【DVD】vol.1ドキドキ! プリキュア 【DVD】vol.1
2013年度八代目プリキュア。テーマはクレイジーサイコレズと自己中。役職は生徒会コンビとアイドル、お嬢様。第一話からヒロインを「幸福の王子」に例えたり思い悩むヒロインをストーキングするメガネっ子が登場するぶっ飛び用が素晴らしい。サブテーマの自己中パートでは行列に並ぶ市民や信号待ちをしているサラリーマンのいらいらが実体化して人を襲う。実体化したジコチューが信号なら赤の時は時間を停止、青の時は攻撃対象を変更したり見逃したりゲームのような一定のルールにしたがっているのがおもしろかった。
鑑賞日:01月01日 監督:古賀 豪

鑑賞メーター