2024-01-01から1年間の記事一覧
■夢遊少女/墓石の下墓石の下が秀逸。地獄で天を駆け星星を巡るというあべこべ感、その最中の浮遊感はなかなかのもの。地獄池に潜るコマにも言えるけど、クルッと反転するコマが愛らしい。筋は怪奇だけど、見どころは幻想風味。夢遊少女は狂人とか死人がそれ…
■三国志 1の巻劉備が督郵を殴りつけていることからわかるように演義よりは正史より、ではあるが単に時系列をなぞるのではなく、それ相応の性格描写があるのが嬉しい。従来なら督郵を殴りつける理由も漢室への忠誠だとか世を憂いた結果と書かれるところだが、…
■三国志曼荼羅 (岩波現代文庫 文芸 119)三国志(演義)をふわっと補強しつつ国家から英雄に至るまで多角的に解説した本。正史、演義はもちろん、横山や吉川も補うもので副読本としても使える。内容は組織構造、英雄論、日本での受容の三本立てで、魏呉蜀のそ…
さすらいの麻婆豆腐の感想 題名通りに料理修行をしながら中国を旅し日本で落ち着くまでの話。四川料理で有名な方なので戦時中に難民としてやってきたのか、と思っていたがさにあらず。東から西へと横断し台湾を経由して日本に達している。しかも四川料理専門…
■三国志 (1) (吉川英治歴史時代文庫 33)一巻は虎牢関まで。(偽)妖術を操る張梁とか勧められた熱燗が冷めないうちに首を取って戦場から帰ってくる関羽が熱い。流石は中華軽小説の代表格。 意外なのは袁紹で十常侍を皆殺しにしろと可進に渇を入れている。世…
■亜人ちゃんは語りたい(11) (ヤングマガジンKC)最終巻は「普通」の青春漫画、だけど健常者にとっての日常が亜人にとってどれだけ普通ではないか、を示す作品だからこの着地は味わい深い。バンパイアのカップ麺(擬血)をすする音がギャグとして通用したり、…
春泥歌 (講談社文庫 あ 5-8)春になると読みたくなる。平家の桜と耳飾る風が好き。 ビジュアル版 日本の昔話百科日本の昔話を企画展風に紹介したガイド本。エピソードをまとめた前半と研究史を俯瞰した後半にわかれている。浦島太郎、桃太郎、かちかち山とお…
■古典文学全集 23里見八犬伝。ポプラ社の本なので玉梓は出てこない、そして性的描写は全削除。原典通りではない、のだけれど、そのおかげで友情努力勝利に特化した某漫画のような雰囲気を漂わせている。飛散った八つの玉はいわずもながら、そこに刻まれた五…
■落盤 (手塚治虫漫画全集 319) 何よりも59年発表の「落盤」。口頭、録音、日記と媒体を変えながら語りなおされる証言、その度により影や描き込みがきつくなり劇画調になっていく画風。おなじみアセチレンランプ登場回だが段々と顔が強張り、落盤の真実、動機…
■ゲゲゲの鬼太郎 1 妖怪大裁判 (ちくま文庫 み 4-20)墓場よりも健全な少年誌版(マガジンサンデー混合)妖怪アンテナと指鉄砲を武器に鬼太郎が大活躍……というのが世間の想像だが、少年誌にしてはどいつもこいつも一癖あって一筋縄にはいかない。三階と四階の…
歌う船 (創元SF文庫)の感想船と男の愛と喪失の御伽噺。性欲とか肉体的な差異についてほとんどでてこないからSFとしてはあんまり……なのだけれど、そういう半端なところが大衆向けによく練られてる。凍結精子を運んでいるのに”船”と子の距離感は未亡人と孤児の…