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印象 2013/06/01-

オールタイムベスト http://efnran.hateblo.jp/entry/2016/01/01/000000

シェロー演出「リング」への招待

指環とか

 バイロイト音楽祭創設百年記念上演のドキュメント。番組はバイロイトの大まかな歴史とその中でブーレーズ指揮、シェロー演出が何を意味しているかを解説している。

 一時は殴り合いの事態にまで発展したという一九七六年の上演から六年も経過しているせいか、ブーレーズとシェローをはじめ、ヴォルフガングや録画を担当したスタッフまで勝ち誇っているのが印象的。特にブーレーズ未来の芸術 バイロイト祝祭劇100年 での含みをもたせた発言とは対照的で、百年記念上演以前の古い、格式張った信仰は過去は捨て去らなければならないと断言するほど自信満々。

 演技指導を捉えた映像は特に面白かった。場面はラインの黄金でアルベリッヒが指環を失い部下にもみくちゃにされるところなのだが、シェローが群衆の中央から指示を出してヘルマン・ベヒト演じるアルベリッヒを襲わせているので、ちょうど革命指導者のような絵面になっている。身体と声を張り上げて舞台での振る舞い方を教えていたヴィーラントとは指導内容がまったく違うのが新鮮だった。

 百年史は未来の芸術とほぼ同じ内容で、ワーグナー自信による初演とその時に残った不満、コジマによる修正、ヴィニフレートによるナチ化、ヴィーラントの新バイロイト様式による革新から構成されていた。(案の定、ヴィニフレートはヒトラーの友人と紹介されるのみで、彼女の演出内容についての具体的な説明はない)一瞬だけヴィーラント演出の指環のカラー映像が挿入されていたのが印象的だったが、それ以外は特に目新しいものはない。

 

ワーグナー:楽劇《ニーベルングの指環》全曲 [DVD]

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