2013/06/01-

時間の無駄だから読まないほうがいいよ。

戦略大作戦と荒鷲の要塞の日常風景とか

  ドイツ占領下のフランスから金塊を奪取する男たちの物語。我欲を隠すことなく軍規そっちのけで金塊を目指す男たちの性格描写(愚連隊西へと思い出させる)、独軍との和解(金塊のアリかを聞いて目の色をかえたり、ケリーの硬い表情をみてゆっくりとローマ式敬礼を取り下げるオットー・アルベルティの仕草がよい)が軽快で良い。

 装備品周辺へのこだわり、軽快な台詞と見どころはあげればきりがないが、この作品のもっとも偉大な部分は戦場の日常感にあると思っている。嵐のなかで泥に足をとられながら行進する独軍とそのなかでマフラーから真っ黒な排気ガスを吹き立たせて圧倒的な存在感を放つティーガー、華やかなピアノ演奏が反響するフランスの田園風景のなかでキリッとした表情で歩く独戦車兵、シャーマンの装甲で洗濯物を干し、ヒーリング・ミュージックを流しながら呑気にワインを飲む米兵たち。役者のキャラクターだけではなく、スクリーンに映っているものすべてを利用して独軍と米軍の違い、フランスのゆったりとした雰囲気といったものまでカバーしているのが素晴らしい。

 監督のブライアン・ハットンはこの作品の他に荒鷲の要塞という二次大戦ものを撮っているが、これも細部まで拘っていて楽しい。冒頭の独兵に変装して雪中の検問を突破するリチャード・バートンの何気ない仕草、すれ違うくすんだフィールドグレーの独軍キューベルワーゲン、熱心にラジオの周波数を何度も変えて好みの曲を探す通信室の独兵と主筋とは一つ間隔を置いた描写の小味がきいている。