印象 2013/06/01-

オールタイムベスト http://efnran.hateblo.jp/entry/2016/01/01/000000

十月の読書やら鑑賞やら何やら

 

さらば友よ [DVD]

さらば友よ [DVD]

 

 仲間思いのアラン・ドロンとウィスキー狂いのブロンソンがタバコ片手に叫び合うまでの物語。フランス映画お得意のオシャレな強盗モノで、地下室のメロディーの相方がギャバンからアメリカ人に変わっただけのようなプロットでありながら、ブロンソンが酒をすすり、タバコ片手にコイン落としに自分の将来を委ね、ハリウッド風にクローズアップを多用するだけで作品全体が従来の欧州映画の二十倍はむさ苦しくなる。異国の俳優をひとつのフレームに押し込む作法を心得た名作。

あなたのための物語 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

あなたのための物語 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

 

 マッドサイエンティスト最後の半年。余命宣告を受けた科学者が自分の死後も生きながらえるすべての人々、人工知能を呪い、擬似神経に脳内麻薬をキメながら最後の研究に挑む。よくある自分の病状を研究対象とする作品なのだが、研究過程で擬似神経の制御系研究を医療管理社会に結びつけたり、朽ち果てていく肉体を見て脳機能の独立性を否定するなど、分析的な興味が現世への執念を上回っており、死に行く人間を描いた作品としては異彩を放っている。また、それらの研究が世間や肉体への怨念を中和し、一種の人間賛歌へと接続しているのも興味深い。長谷氏の身に迫るような痛み表現とハードSF的洞察が見事に融合した傑作。

フランケンシュタイン (創元推理文庫 (532‐1))

フランケンシュタイン (創元推理文庫 (532‐1))

 

 19世紀のマッドサイエンティストフランケンシュタインの記録。科学の進歩の名のもとに創造の快楽に溺れて自我のある怪物を生み出し、醜い外見と怪力を憎み恐れて、怪物の願いを一蹴し彼の行いひとつひとつを否定する無責任な科学者とひっそりと文学と労働、家族の団欒に喜びを見出す優しい怪物が実に効果的に、対比的に描かれている。特に科学者と怪物両方の内面を徹底的に描き尽くし、怪物の醜悪な外見をあえて隠蔽する企みには、決して映像では再現できない深みがある。

屍者の帝国 (河出文庫)

屍者の帝国 (河出文庫)

 

  映像化の方。世界人体実験室付宗教施設の旅。パンチカードで屍体の脳を上書きし実用化が可能になった19世紀、亡き友を復活させるため、英国紳士が屍者を復活させるというヴィクターの手記を求めて亜細亜を旅する。アフガンではロシア人によって掘られた洞窟教会で出来損ないの生者に恐怖し、日本では仏壇に手記を収めて袈裟姿でパンチカードを処理する屍僧と鎧武者ゾンビと斬り合い、サンフランシスコでは教会を襲う屍者カウボーイと撃ち合う等等、その土地柄に合わせたゾンビと殴り合う様が楽しい。あと、ハダリーのおっぱいは量感があってよろしかった。

Pixels (3D Blu-ray + Blu-ray + UltraViolet)

Pixels (3D Blu-ray + Blu-ray + UltraViolet)

 

 ヲタクもといナード風刺映画。車や人体が無数の立方体と化して夜空へと消え、ビル群がテトリス状に消し飛ぶ光景がとにかく気持ち良い作品でありながら、戦う英雄は屈強な海兵隊ではなく、皮肉に皮肉を重ねて嫌われることしかできないナードに陰謀論を叫び続けるピザデブ、ムショぐらしの元ゲーヲタというどうしようもない面子。ゲームで身を立てたいと願う子供心にナードの社会的立ち位置と彼らのコミュ力の現実、世界救済という使命を混ぜた世にも奇妙な映画だった。

 

 

2015年10月の読書メーター
読んだ本の数:23冊
読んだページ数:5958ページ
ナイス数:114ナイス

すばらしい新世界 (講談社文庫)すばらしい新世界 (講談社文庫)感想
揺り籠から墓場までが規格化された医療管理社会の物語。受精段階で選別され、培養瓶で製造され、出産後には睡眠学習や電気ショックによって自らの階級を学習させられ、意識を持ったあとも錠剤(ソーマ)によって精神を安定させられ、葬式会場ではチョコレートを舐めさせられ、来る自分の死の瞬間をも自然なこととして受け止めさせられる、そんな思いやりに満ち溢れた共同体の姿が美しく描かれている。主要人物の視点から「信仰の禁止」「負の感情やそれから生まれる文学の不在」などの欠点を提示する一方で、同等の視点からそれらが
読了日:10月30日 著者:ハックスリー
勇者ヴォグ・ランバ(2)<完> (アフタヌーンKC)勇者ヴォグ・ランバ(2)<完> (アフタヌーンKC)感想
ペインフリー崩壊。体制下の意識は外部に機能の大部分を預けているから個別の価値判断を停止したゾンビは想定外の事態に弱いという欠点があり、対抗するには人間的で感情的な攻撃が必要で、戦後はベンタム的な世界観で場当たり的に調整すれば良い、と考察自体は興味深い。考察自体は面白いのだが、前巻の複製人間や会議する脳に比べると言葉による説明に頼りすぎていて、マンガ的な面白さが欠けている印象。
読了日:10月27日 著者:庄司創
勇者ヴォグ・ランバ(1) (アフタヌーンKC)勇者ヴォグ・ランバ(1) (アフタヌーンKC)感想
知覚を脳内端末を通して痛みを打ち消す「ペインフリー」が施行された世界に挑むテロリストの物語、ハーモニー後日談。哲学的ゾンビが運営するファミレスとか、意識だけをトレスして移動可能な脳や肉体に移植して、それで軍隊をこしらえられたり、といちいち倫理的なハードルが低いのが楽しい。主人公が「ペインフリー下で意識の有無を検証できていないことは認めるが、そんな曖昧なものに取り込まれるのも嫌だ」というディストピアものにしては珍しい、中立的な動機を採用しているのも興味深い。
読了日:10月27日 著者:庄司創
ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)感想
医療管理社会とメンヘラ。精神から肉体まで社会的に評価、共有されることが常識となった社会で、成長期の少女が読書や名刺の個別性に孤独と快楽を見出し、健康的な生活に対して栄養遮断剤を用いて社会に挑戦する。ソ連風の無機質で思いやりに満ちた風景とピンク色の医療”軍”、虐殺文法を応用した価値判断調整機能等々、管理社会のエッセンスをラノベ調に表現している。提示している世界観が虐殺器官よりもディストピアフェチ寄りで、オーウェル的な設定に馴染みがないと読み辛いのが辛いところだが、面白かった。
読了日:10月26日 著者:伊藤計劃
あなたのための物語 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)あなたのための物語 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)感想
マッドサイエンティスト最後の半年。余命宣告を受けた科学者が自分の死後も生きながらえるすべての人々、人工知能を呪い、擬似神経に脳内麻薬をキメながら最後の研究に挑む。よくある自分の病状を研究対象とする作品なのだが、研究過程で擬似神経の制御系研究を医療管理社会に結びつけたり、朽ち果てていく肉体を見て脳機能の独立性を否定するなど、関連付けられている議論の幅が非常に広い。また、それらの研究が世間や肉体への怨念を中和し、一種の人間賛歌へと接続しているのも興味深い。長谷氏の
読了日:10月23日 著者:長谷敏司
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)感想
アメリカの犬がチョムスキーに被れるまでの記録。パクス・アメリカーナによって植民地の苦しみを、カウンセリングによって対象喪失を、薬物によって自他の皮膚の痛みを封じられた男が、感じたことのないはずのない痛覚に憑かれ、悩みに悩んで暴発する様子が興味深い。虐殺文法のディテールをはじめ、その原理を構成する価値判断機能についての説明、サラエボの核に溶けた人々のIDタグをつけたテロリスト、DARPAPMF、CEEP等々の秩序と混沌が入り混じった軍事描写、ライフグラフを読んで母親の視線の不在に気づいたり、
読了日:10月21日 著者:伊藤計劃
HELLSING 10 (ヤングキングコミックス)HELLSING 10 (ヤングキングコミックス)感想
他者と自分の区別を戦場の、人間の血と肉と命のやりとしにしか見いだせない少佐最高にかっこいい。
読了日:10月15日 著者:平野耕太
HELLSING 9 (ヤングキングコミックス)HELLSING 9 (ヤングキングコミックス)感想
戦争と人間の枠組みの中で劇的に死にたいナチ残党と従順な狼人間、人間は劇的に死んでくれないと我慢ならない吸血鬼、そんな大人ぶった態度に怒る糸使いの殴り合い。殺し合いに後から理屈をつけているのが人間らしくて良い。
読了日:10月15日 著者:平野耕太
HELLSING 8 (ヤングキングコミックス)HELLSING 8 (ヤングキングコミックス)感想
鍋とスプーンを抱えたイェニチェリ、ワラキア騎兵を吐き出す東欧出身英国在住のアーカード、槍衾に飲まれるナチ、それに「それがどうした吸血鬼、まだ腕がちぎれただけじゃねえか」と銃剣を振り回し、自爆で応えるカトリックのグローバルで箱庭チックな戦争がひたすらきれい。
読了日:10月15日 著者:平野耕太
HELLSING 7 (ヤングキングコミックス)HELLSING 7 (ヤングキングコミックス)感想
死ね死ねプロテスタントと叫ぶ大司教に従い、フレアでできた死の羽をもってナチとジョンブル狩りを楽しむ第九回十字軍、間に挟まれた最後の大隊かわいそう。あと、フリッツヘルメットとガスマスクの相性いいよね。
読了日:10月15日 著者:平野耕太
HELLSING 6 (ヤングキングコミックス)HELLSING 6 (ヤングキングコミックス)感想
英国虐殺祭。ロンドン市民の首を掲げながら行進するフリッツヘルメットとフードで顔を隠した親衛隊食屍鬼、それを聖書を諳んじながら銃剣で斬り殺すカトリック神父。生態系っぽい。
読了日:10月15日 著者:平野耕太
HELLSING 5 (ヤングキングコミックス)HELLSING 5 (ヤングキングコミックス)感想
眼鏡っ娘リップバーンのマスケット挿入と鍵十字型に燃えるロンドン。一ページの情報量のやたら多い巻で、V-1投下によって瓦礫の山と化したロンドン、そこに突入する最後の大隊、改造SR-71が炎上しながら空母に突入する一枚絵や海草のように伸びるアーカードの身体あたりは、四六判で読むには辛いものがある。
読了日:10月14日 著者:平野耕太
HELLSING 4 (ヤングキングコミックス)HELLSING 4 (ヤングキングコミックス)感想
化物を兵装し 化物を構築し 化物を教導し 化物を編成し 化物を兵站し 化物を運用し 化物を指揮する戦争が大好きな大隊指揮官殿の演説巻。演説の達人でもあったヒトラーの遺伝子を継いだ、戦後的ナチ指導者像がとてつもないインパクトを与えてくれる。燃えながらアーカードに取り込まれるトバルカインも精細なタッチで描かれていて美しい。
読了日:10月14日 著者:平野耕太
HELLSING 3 (ヤングキングコミックス)HELLSING 3 (ヤングキングコミックス)感想
「あきらめを拒絶した時 人間は人道を踏破する権利人となる」と呟きながら、恐怖に顔を歪ませたブラジル人を撃ち殺したり、ポールに突き刺す巻。 地味な一冊だけど、作品全体の核が詰まっている。倒置法多し。
読了日:10月14日 著者:平野耕太
HELLSING 2 (ヤングキングコミックス)HELLSING 2 (ヤングキングコミックス)感想
ルーク&ヤンのチンピラ二人組によるヘルシング襲撃。ジャージに白スーツという味噌っかすな外見ながら、重要な事は必ず修辞(小便すませたか?神様にお祈りは?部屋のスミでガタガタふるえて命乞いをする心の準備はOK?、まだ足が二本ちぎれただけだぞ、使い魔達を出せ、身体を变化させろ、足を再構築して立ち上がれ等々)を駆使して説明してくれるので、必要以上に眩しい。言葉の大切さを教えてくれる漫画だ。
読了日:10月14日 著者:平野耕太
HELLSING 1 (ヤングキングコミックス)HELLSING 1 (ヤングキングコミックス)感想
カトリックプロテスタント北アイルランドで殴り合いを演じたり、パレスチナの難民キャンプでPF○☓系のテロリストの四肢を切断する、あらゆる観念形態を拒否した混沌漫画。普通、宗教的な題材を扱う場合は何らかの緩みがあるものだが、この作品の場合は狂気がレトリック(アレクサンドル・アンデルセン神父、聖堂騎士アンデルセン、殺し屋アンデルセン、銃剣アンデルセンといった反復法等)によって正当化され、それがまた面白さにつながっている。宗教国家あらゆる組織を支える物語に飽き飽きした自分にとって、とてもストレス発散になる物語
読了日:10月14日 著者:平野耕太
ヘルシング外伝ヘルシング外伝感想
マンドリン片手に降り立つ男の娘風アーカードが美しい。この一ペーシだけのために(定価で)買っても損はない。ショタ気質のウォルター、ショタにも容赦しないヴェア・ヴォルフと眼鏡なくして使いものにならないリップバーン、まだ自分の体型に開き直りかけの少佐と皆皆若い。
読了日:10月14日 著者:平野耕太
吸血鬼ドラキュラ (1963年) (創元推理文庫)吸血鬼ドラキュラ (1963年) (創元推理文庫)感想
吸血鬼ロンドンに現る。他人の血液を吸って力を蓄えるという幻想的なイメージのつきまとう吸血鬼だが、本格的なドラキュラ像を打ち立てた本作は吸血により同族が増えていくシステムを伝染病に例えたり、吸血後の精神異常を貧血と関係させたりと意外に筋を通した作風で、どちらかといえばSFに近い。吸血鬼化していく女性がドラキュラの視点と同期するあたりなんかはサイバーパンクを思い起こさせる。もちろん、ヴラド公をモチーフにしているだけって、東欧の薄暗い風景描写やヴラドが過去のあらゆる戦争に参加してきたことを語る場面などは幻想的
読了日:10月12日 著者:ブラム・ストーカー
フランケンシュタイン (創元推理文庫 (532‐1))フランケンシュタイン (創元推理文庫 (532‐1))感想
19世紀のマッドサイエンティストフランケンシュタインの記録。科学の進歩の名のもとに創造の快楽に溺れて自我のある怪物を生み出し、醜い外見と怪力を憎み恐れて、怪物の願いを一蹴し彼の行いひとつひとつを否定する無責任な科学者とひっそりと文学と労働、家族の団欒に喜びを見出す優しい怪物が実に効果的に、対比的に描かれている。特に科学者と怪物両方の内面を徹底的に描き尽くし、怪物の醜悪な外見をあえて隠蔽する企みには、決して映像では再現できない深みがある。
読了日:10月9日 著者:メアリ・シェリー
屍者の帝国 (河出文庫)屍者の帝国 (河出文庫)感想
屍者の帝国及びフランケンシュタインの二次創作。イギリスからアフガン、日本、アメリカのフィクション所属の人々の元を不死の劇薬を求めて彷徨う。虐殺器官では大災禍を引き起こしハーモニーの管理社会の原因となったX(言葉)を登場させながら、それを死の原因としてではなく復活/不死にして主を滅ぼす呪文(一部物質化)として登場させているのが面白い。(シェリー版の怪物くんの願いが叶うのもよかった)ただ、ばらまかれている設定が非常に断片的(スペクターとXの関係)でかつ唐突に登場する(ザ・ワンの目的とか)ため
読了日:10月7日 著者:伊藤計劃,円城塔
ダンジョン飯 2巻 (ビームコミックス)ダンジョン飯 2巻 (ビームコミックス)感想
剣と魔法の世界の料理本かと思いきや、今回も鼻行類に似た魔界生態研究報告だった。ゴーレム畑(自律警備システムを搭載)とかもう青背の発想。
読了日:10月6日 著者:九井諒子
批評理論入門―『フランケンシュタイン』解剖講義 (中公新書)批評理論入門―『フランケンシュタイン』解剖講義 (中公新書)感想
批評家や哲学社会学者同士の殺し合いをきれいさっぱり拭い去り、各理論の核を抜き出して小説解説の道具にしたら、使えるものになってしまった奇跡の書。情報の提示量や技術(提示、叙述)が肝となる冒頭、語り手もまた我々をだましにかかっていることを警告するために発明された信頼できない語り手、まだ起こってはいないが、物語形式上の必然として存在する先説法あるいは伏線、時間の流れに沿って圧縮する省略法と主題を意識して断片を集める要約法、読者が文脈を意識してはじめて意味を持つ象徴等々、我々が作品を鑑賞する際に無意識に行っている
読了日:10月6日 著者:廣野由美子
地に呪われたる者 (みすずライブラリー)地に呪われたる者 (みすずライブラリー)感想
FLNプロパガンダ。新左翼がこれから天啓を受けたとか、サルトルが序文を書いたとか、序盤の西洋的本質に洗脳され膠着化した我々には筋肉の夢で応えるしかない等々の記述から扇動的な内容を想像していたのだが、意外に理知的な内容で驚いた。留学エリートと文化の関係について、西洋に留学したエリートには実務が不足しているから役に立たないし、それに西洋との比較からアフリカの文化に彼らは幻滅していると自虐的に書いているあたりは、プロパガンダとしての価値を自ら貶めようとしているようにすら見える。独立しても宗主国
読了日:10月2日 著者:フランツファノン

読書メーター

 

10月の鑑賞メーター
観たビデオの数:5本
観た鑑賞時間:479分

さらば友よ [DVD]さらば友よ [DVD]
さらば戦友。仲間思いのアラン・ドロンとウィスキー狂いのブロンソンがタバコ片手に叫び合うまでの物語。フランス映画お得意のオシャレな強盗モノで、アランドロンの相方がギャバンからアメリカ人に変わっただけのようなプロットでありながら、ブロンソンが酒をすすり、タバコ片手にコイン落としに自分の将来を委ね、ハリウッド風にクローズアップを多用するだけで作品全体が従来の欧州映画の二十倍はむさ苦しくなる。異国の俳優をひとつのフレームに押し込む作法を心得た傑作。
鑑賞日:10月25日 監督:ジャン・エルマン
屍者の帝国屍者の帝国
世界人体実験室付宗教施設の旅。パンチカードで屍体の脳を上書きし実用化が可能になった19世紀、亡き友を復活させるため、英国紳士が屍者を復活させるというヴィクターの手記を求めて亜細亜を旅する。アフガンではロシア人によって掘られた洞窟教会で出来損ないの生者に恐怖し、日本では仏壇に手記を収めて袈裟姿でパンチカードを処理する屍僧と鎧武者ゾンビと斬り合い、サンフランシスコでは教会を襲う屍者カウボーイと撃ち合う等等、その土地柄に合わせたゾンビと殴り合う様が楽しい。あと、ハダリーのおっぱいは量感があってよろしかった。
鑑賞日:10月20日 監督:牧原亮太郎
世界の戦争映画名作シリーズ 肉弾戦車隊 [DVD]世界の戦争映画名作シリーズ 肉弾戦車隊 [DVD]
59年のM4フェチ映画。機銃掃射を廃棄された戦車を盾にしつ車両備え付けの無線で救援を要請する米兵、何発撃っても正面装甲で跳ね返すパンターとそれを発煙弾で巻いて背後から一突きするシャーマン、75mmを前に恐怖に怯え集団投降する独兵等々のM4の機能を活かした映像群が素晴らしい。特有だったのは、M4の敵として真正面からパンター徹甲弾を撃ちこみ爆発炎上させるパーシング、ジークフリート線(比喩)を埋め立て道を切り開くドーザー付きM4の車種の違いを活かした戦車の活躍で、これは他の戦車映画にも見当たら
鑑賞日:10月11日 監督:ルイス・セイラー
ピクセルピクセル
ヲタクもといナード風刺映画。車や人体が無数の立方体と化して夜空へと消え、ビル群がテトリス状に消し飛ぶ光景がとにかく気持ち良い作品でありながら、戦う英雄は屈強な海兵隊ではなく、皮肉に皮肉を重ねて嫌われることしかできないナードに陰謀論を叫び続けるピザデブ、ムショぐらしの元ゲーヲタというどうしようもない面子。ゲームで身を立てたいと願う子供心にナードの社会的立ち位置と彼らのコミュ力の現実、世界救済という使命を混ぜた世にも奇妙な映画だった。
鑑賞日:10月05日 監督:クリス・コロンバス
ブラッド・ダイヤモンド [Blu-ray]ブラッド・ダイヤモンド [Blu-ray]
シオラレオネ概論。ベルギー人が持ち込んだ腕切断の儀式で村人たちに脅しをかけ、アメリカに手渡すためのダイヤを掘らせ、その資金で白人からAKとRPGと日本車メカニカを買って独立のためと叫びながら、一般市民を虐殺し、それを解決するためにPMCが介入して一儲け。そういった南アの仕組みに対してディカプリオとその恋人の白人コンビの視点から懺悔し、ソロモンはじめ現地人はひたすら貧弱でわずかに残った父親の威厳を引き金を引かれない程度に示す。かつての宗主国とアフリカの子どもたちのバランスが如何にもCNN的だった。
鑑賞日:10月04日 監督:エドワード・ズウィック

鑑賞メーター

 

 

 

 PWをMG、MGS、MGS2MGS4の物語すべてにつなげるための"外伝”。
 MGSVを生き抜いたヴェノム・スネークはそのままMGに登場し、逃亡したイーライとアウターヘヴンを去ったオセロットはMGSへ、裏切りに裏切りを重ねたヒューイはボートで流され、MGS2で、またどうしようもない父親として顔を出し、ビッグボスはMGSVに登場しないことで延命を果たし、MGS4に登場することになる。
 PWでゲバラの模倣に引き続いて、現在も様々な思想を持つテロリストの巣窟であるアフガン、アフリカを舞台としたことや(西側の共通語である)英語を攻撃する民族浄化、民族解放虫のおかげで、MGで見せた無政府主義者としてのヴェノム・スネークにも接続できている。
 言葉がどうのと語るコードトーカーは伊藤計劃そのもので若干違和感があったが、虐殺器官で説明のなかった性質面の問題をクリアしており、トリビュートとして非常に良く出来ていたと思う。少なくとも、他の映像化より事の本質をわかっているのではないか。
 賛否両論はあれど、MSX2時代から二十年も続くシリーズすべての設定をひとつにまとめようという試みは評価に値する。
登録日:2015年10月17日

 

 

グアンタナモ潜入ゲーム。
登録日:2015年09月02日